パーマン(2)

パーマン 2(藤子・F・不二雄大全集)

パーマン 2(藤子・F・不二雄大全集)

サンデー版完結編。というか2冊で完結。ほんの1年の連載でしたからね。

  1. インテリギャング:ギャングがパーマンを本気で暗殺しに来るシリアスな話なのに全編ギャグ仕立て。「同じ家から出て、同じ服を着て、同じ声でしゃべったぞ」という誰もが突っ込みたかったところを、敵があっさり突っ込む。実はみんな気づいてるんじゃないのか。
  2. 箱入りむすこ:何人も子供を亡くすとこうなってしまうのか。可哀相だけど、学校にも行かせなかったのか?そりゃあ無茶というもんだ。はねられそうになるまで、教育が間違っていたことに気づかないとは・・・。
  3. 通り魔は二度と出ない:不況と通り魔。時代は繰り返す。本来なら警察行きのところをパーマンが見逃し、更生させた。パーマンは悪と闘うだけが仕事ではないのだ。
  4. ぼくはスターだぞ:半寒っていう字面がひでえ。この話は、最大の謎であるアノ人の正体が初めて匂わされた話。おそらく多くの読者がここで引っ掛かり、「え、もしかして・・」と気付いたのではなかろうか。そして話の最後になっても結局明かされない。
  5. 八百長プロレス:原っぱでプロレスとかしょぼすぎるw どうもパーマンは頭が悪いせいかこういうズルい奴に利用される場面が多いように思う。
  6. ○ソ○ロ・コンクール:全ギャド連のおバカな連中も敵として結構魅力的である。コソドロのコンクールを大々的に張り紙をして知らせてしまうというバカすぎる行動が笑える。
  7. 国際スパイ大作戦:いきなりシリアスな話。軍事兵器の研究が巻き起こした国と国の抗争にパーマンたちが参戦。実弾と実弾が(マジで)ぶつかり合うハードな展開。やはりこういうシリアスな話にはパーやんが必要不可欠ですね。
  8. パーマンやめたいパーマンに向かないんじゃないかと悩むミツ夫。それをあの手この手で思いとどまらせようとするブービーとパー子が微笑ましい。何だかんだでリーダーとして大切に思ってるんだねえ。
  9. パーマン5号誕生:連載も後半に入っているのにここでまた新キャラ登場。他の4人に比べると圧倒的に知名度の低い5号は赤ちゃんのパー坊。それなりに個性のあるいいキャラなのだが、やはり扱いにくかったのか80年代新作では一切登場しない。というか旧作でもあまり出番はない。
  10. パーマン5号の空き巣退治:というわけで数少ないパー坊のメイン話。というか、マスクもマントも身体能力はアップさせられるけど、頭までは良くならないんだからこの赤ん坊は天才としか思えない。それをいうならサルのブービーはもっと凄いけどな。
  11. "鉄の棺桶"突破せよ:2週に渡って掲載されたパーマン史上最大の仕事であり、遊び抜きのシリアスな展開。「国際スパイ大作戦」の続編で、Q国の軍事研究所に潜入捜査して博士を助け出すという話。ミツ夫も頑張ってはいたけど、結局パーやんひとりで解決したと言っても過言ではないような・・。作品を代表する傑作であることは間違いない。
  12. ここほれワンワン:またしても騙されるパーマン。おまけに騙されそうになってる人を救えずに一緒に騙されてるのだから始末に負えない。最後は結果的に・・ですが。
  13. 悪人名簿でギクリ:全ギャド連のセールスマンが悪人名簿を落として起こる騒動。珍しくみっちゃんが全編に渡って登場。ヒロインの座はパー子に奪われてるからねえ。
  14. ムキキの社長:意外と少ないブービーのメイン話。ブービーもよく騙されるが、ミツ夫と違ってサルなので騙されてる様も可愛く見える。関係ないけどミツ夫とパー子の憎まれ口を言い合う場面がさりげなくいいなあと思う。
  15. パーマンはつらいよ:確かに、報酬ももらえないのにこんな仕事させられるのは割に合わんよな。しかも日常と背中合わせなわけだから。最後の決意とスーパーマンの言葉は近づく最終回への伏線にも見える。
  16. のぞき事件:盗撮魔あらわる。当時はまだ隠し撮りにもおおらかな時代だったのだろうが、今だったら完全に犯罪者扱いだよな。ぼくはみんなをカントクしとるんだという台詞が異様にムカつくw
  17. パーマンは重税をとる:ミツ夫の日常話に近い。全員同率で、累進課税じゃないだけまだいいと思う・・・。しかし「どう考えても30円は惜しい」という笑える金銭感覚が時代を感じると言うかなんというか。
  18. わがはいの脱獄:またしても登場、怪人千面相。マジシャンのようにあの手この手で脱獄を試みる。ばかもんそれがルパンだ!的な展開もあり楽しい。オチにはちょっと納得してしまう。
  19. パーマンをやっつけろ:またミツ夫が騙されてみんなに迷惑をかける。よくこんなんでリーダーやってるな。パー坊が久々の登場。パー子が初めてマスクを取られて髪型だけは見える。しかし正体の隠し方がさりげないなあ・・。
  20. 赤い羽根パーマンと星野スミレが「スミレとして」初めて会話する。前話での疑いを逸らす話なのか、パー子とスミレが同時に登場する。当然どちらかはコピーロボットなんだろうが、それは明かされずじまい。鼻の色を見るにパー子がコピーなのだろう、たぶん。
  21. スーパー星への道:そして突然の最終回。F氏お得意の「簡単には泣かせない、一筋縄ではいかないお別れ」が余すところなく描かれる。親子の別れと言うツボはしっかり抑えているが、この段階ではパー子とは何もなし。こうしてミツ夫は遠い星へ飛び立っていき、後年に別作品で描かれる星野スミレの話へと繋がっていく。長きにわたる連載において、きちんと雑誌掲載された唯一無二の「最終話」。
  22. 帰ってきたパーマン:1ヶ月後に増刊号に掲載された「1回限りの復活篇」。お正月に2時間だけ帰郷が許されるたパーマンだが・・。別れと同様、再会も一筋縄ではいかないのがF氏。でもラストシーンはしみじみとした味わいがあると思う。いい話です。

オバケのQ太郎(2)

オバケのQ太郎 2 (藤子・F・不二雄大全集)

オバケのQ太郎 2 (藤子・F・不二雄大全集)

海外遠征も多数、物語が一気にスケールアップした2巻。Qちゃんの親戚も初登場。

  1. ネプチャ王子:いきなりQちゃんの笑える独白から始まる。ネプチャの王さまに気に入られ、王子になってほしいとまで言われたQちゃんだが・・・。最後まで結構クールなあしらいを見せる。続編もこの後で。
  2. 魔法のやかん:Qちゃん、友達と言うより完全に正ちゃんの召使いになってるな。別に断って帰ることもできるのに、ご主人の命令にきちんと従おうとするQちゃんが妙に律儀。
  3. 戦争はおわったのに:戦後20年当時の時代を感じる名作。南の島に出かけて、そこで太平洋戦争が終わったことに気づかずに戦いを続ける日本軍と米軍の元兵士達と出会う。これが描かれた当時、実際に横井庄一とか小野田寛郎とか日本兵が各地に潜伏してたんだよなあ。横井さんが帰ってくるのはこの8年後。
  4. カゼきらい!:カゼにやたら怯えるQちゃんが可愛い。もうカゼなんかこわくない♪はついつい読みながら口ずさんでしまう。
  5. バイオリンで倒せ!:増刊掲載の長めの話。なぜかバイオリンに凝るQちゃん。後半は武器密輸団と正ちゃん&Qちゃんの全面対決・・といってもパーマンのようなシリアスな話ではない。やせてたからよかったネタが何故繰り返し登場するのか・・。
  6. 為左衛門の秘宝:おなじみの宝さがし話。財宝のために神奈川まで(なぜか電車で)出かける。あちこちにタライ回しにされ、結構動きのある話。最後、本当に全部受け取ったとすると300万はありそうだが・・・。
  7. ニコニコ運動:街のキチガイ・・もとい変な人たち。話中にいわゆるキチガイが登場するのだが、セリフは軽く修正されるも絵はそのまま。絵はいいのかよ。最後は妙にうまくまとまったなあ。
  8. おれは山男:スキーで遭難して転がり込んだ家にいたのは・・。腹減りすぎてQちゃんのおしりにかぶり付く正ちゃん。大丈夫か。
  9. イヌに強くなろう:イヌに強くなりたいQちゃんが一人で延々とボケをかましまくる。「いなくなりましたですむと思ってるの!」→「だからすみませんといってます」ナイス返しwww
  10. カチカチ山の決闘:みんなで人形劇。この話を読むと紙粘土の作り方がよくわかる。最後は正ちゃんはなんつう表情をしとるんだ。
  11. むだづかいしよう:いきなり一千万円を渡された正ちゃんとQちゃんだが、貧乏が染み付いていて使い方が分からない。おまけにQちゃんは金を増やす始末。「またふえたジョー」は、当時一緒に連載されていた「おそ松くん」のハタ坊のモノマネです。
  12. 正義の味方モシモ仮面:もはや正義の味方と言う名のストーカーである。やっぱ当時の子供は忍者ごっこみたいなことが好きだったのか。最後は悪の味方オヤジ仮面の手で解決。
  13. 8ミリ超大作:F氏も大好きだった8ミリでの映画撮影。8ミリカメラもすっかり過去の遺物なので、読んでるだけでいろいろと勉強になる。しかし子供と映画撮影とはヒマな大人だな。
  14. オバQカー:正ちゃんはメカ好き少年。だが結局はQちゃんを召使いにして遊ぶ話。ダンプに紐をつないで走るのは危険すぎるだろw
  15. 決戦オバQとりで:読んだ子供たち誰もが憧れていそうな秘密基地づくりの話。材料は空き箱だけだし、敵を撃退する数々の秘密兵器もすぐに作れそうなものばかりで素晴らしい。ハカセも大活躍の傑作。
  16. ナイババと四人の盗賊:冒頭の「ネプチャ王子」の続編。Qちゃんと正ちゃんが2人でネプチャに誘われて出かける。この2人結構海外旅行してるな。ブタの催眠術がとけて(?)「おまえはブタのままでいいの」ってのがまたw
  17. テレ助くん:あーこんなやついるね、って年少の読者たちが思うのを想定してるんだろうか。確かにいくらでもいそうな奴だ。最後にQちゃんが「たしかに性質が悪いですな」とやたら大人びた評価をする。つーか、その解決法でいいのかお前たちは?
  18. 春だ!!つりに行こう!!:最初にオチを紹介してしまうという変わった展開。距離のめもりが10メートルだからと後退してボチャ、という流れが笑える。そっちよりカメラを調整しろよと。Qちゃんの雑巾しぼり姿や魚形態が可愛い。
  19. ヒマラヤの雪男:またしても海外遠征である。雪男をつかまえるためだけに大した準備もしないで出かける2人、無謀だ・・・。最後に無表情で雪男に変身するQちゃんが何とも言えず可愛い。毛を生やしただけじゃバレるだろw
  20. あこがれのラーメン:小池さんがいつの間にか結婚していたことが発覚!しかも嫁さん結構可愛い。ものずきなおよめさんだ、とのQちゃんが言うのも無理はないくらい、ラーメンへの執着心がすごい小池さん。そんならはっきりいえばいいのに、という嫁の言葉がごもっとも。
  21. ぼくのコレクション大鵬、王、植木等藤田まこと吉永小百合というラインナップが、当時の子供にとってのスターだったのね。食べ物をコレクションしようとしたQちゃんに「そんなのだめだい!」→「いけませんかね」ってどういう掛け合いだよw 話の後半は大迷惑野郎と化すQちゃんであった。
  22. ニューモードを着よう:そういえばそれは体の皮じゃなくて服だったね、ということを思い出させてくれる話。おしゃれをしようといろんな服に着替えるQちゃんの七変化が見物。目玉、ナマズ、小坊主、てるてる坊主、テント、そして・・。よっちゃんのおじさんのデザイナーも登場。どう見てもキチガイです。
  23. Qちゃんの美容教師:Qちゃんのダイエット指南。375キロデブ=百貫デブ、凝ったあだ名だ。後半は細利研究所に入ってQちゃんがダイエットに挑戦。実態はやっぱり街の変な人でした。「ボロボロになってらっしゃる」じゃねえよw
  24. いたずらチャンピオン:いたずら好きのF氏らしい話だ。いとこのサブちゃんが繰り広げるさまざまないたずら。時々どうでもいい「解説」が入っているところがイイ。
  25. Qちゃん頭の毛をよこせ:街の変な人シリーズの中でも特に際立つ、ガラクタ教という宗教団体が登場。Qちゃんの毛をオマモリにする目的がいまいち分からん。暴力団の部下のF氏、A氏、石ノ森氏が珍しくセリフ付きで活躍。
  26. 歌手になりたい:バイオリンの次は歌ですか。ジャイアンほどじゃないがQちゃんの歌も相当な破壊力があるようだ。体を張ってテレビを隠すQちゃんが面白い。
  27. オバケのおじさん:この話で初めてQちゃんファミリーの一人が登場。といってもおじさん一人で、両親や妹が出てくるのはまだ少し後ですが。おじさんはQちゃん以上に気楽でいいかげんな性格だった。
  28. あつかましいやつ:こいつは結局ホームレスってことでいいの・・?あつかましいなんてもんじゃなく、警察沙汰になりそうな押し掛け方。最後も反省もせずただ逃げて行っただけ。うーむ何だったんだ。
  29. 潮干狩り:家族で潮干狩りへ。序盤、ひとりで恥かいてブツブツ言ってるQちゃんが楽しい。いつもに増してQちゃんが無知で自分勝手だが、それもまた可愛い。結局甘栗とハマグリの違いもわからんまま終わってしまう。何しに行ったんだ。
  30. うそつきはだれだ:正ちゃんと天取君の答案がソックリで疑惑をかけられる。他人の罪をかぶろうとする正ちゃんが男らしい・・。パパが正ちゃんに平手打ちするシーンが描かれるのは極めてレア。教育はしっかりしてますなあ。
  31. ゆうれい村:山奥でおかしな村を見つけたQちゃんと正ちゃん。平家の末裔が時代が変わったことも知らずにずっと山奥に潜んでいた・・というすごい設定の話。つうかQちゃんが床屋のおっさんの名前が源二とか余計なことを教えなきゃ、こんな騒ぎにはならなかったのでは。床屋にしたらいい迷惑だ。

ドラえもん(2)

ドラえもん 2 (藤子・F・不二雄大全集)

ドラえもん 2 (藤子・F・不二雄大全集)

第2巻は'70〜'75年分の63作品収録。パンチの効いた初期ドラは1巻に続いてこれまた傑作揃い。

  1. ドラえもん登場!:まるっきり知られていない「小一」版第1話(10年前に「ドラえ本3」で復刻されている)。ドラの設定は「未来からきた」というだけで小二版よりさらに簡略化されている。小一向けなのにのび太のダメっぷりが殊更強調されている感じ。2度と登場しない親戚のおじさんも出演。
  2. アタールガン:子供のくせにカウボーイスタイルのスネ夫のび太の射撃上手の設定はまだない。
  3. タイムテレビ:「ドラえもんの大予言」と似た展開かと思いきや、こっちのほうがひねられてて面白い。しずちゃんのなわとび首絞めは「あらかじめ日記」でも予言ネタに絡んで使われる。
  4. ペタリぐつとペタリてぶくろ:初期だからこそ読める、(低学年向けなのに)道具よりもストーリー主体の読み応えのある話。結構感動的な展開。しかしたまお君の両親は障害のある息子を放ってどこに住んでいるのだろう?タイトルの道具はなんと25年後の長編「のび太と銀河超特急」で再登場する。
  5. ロボットのガチャ子:幻のキャラクター、アヒル型ロボット・ガチャ子が登場。この話に限ってはドラよりもガチャ子のほうが役立っているように見える。この学年向けのドラえもんでは、ガチャ子はこの1回で姿を消す。居候には至らなかったようだ。
  6. お化けたん知機:ドラとお化けたちの絡みが楽しい傑作。オチに至る話のテンポも完璧。ドラ世界にはツチノコネッシーなど大抵の幻の動物が実在するが、お化けまでいるのか。幻のスネ夫の弟・スネツグが全編に渡って「普通に」登場。
  7. ねがい星:転んで道具が飛び出すって、大丈夫なのか四次元ポケット?初期にありがちな、スネ夫母子が道具の被害を被る展開も。
  8. ふしぎな海水浴:「行かない旅行の記念写真」でのび太が振り返っていた海の話。どこでもドア以前の時代。水手袋、カメスーツなど、夏向きの道具満載で楽しい。珍しいママの水着姿も公開。
  9. くすぐりノミ:「ペタリぐつ」と同じような街の怪しい家の秘密に迫る展開。だが今回は特に秘密も何もなかった。結局おじさんの顔がヤバすぎるだけでした。ワンハハハハ。
  10. 引力ねじ曲げ機:リフトストック並の危険な機械。スネ夫のおしっこが空へ向かって飛んでいくのがシュール。ところで付き添いのあのお兄ちゃんは誰?近所の兄ちゃん?
  11. 人間あやつり機:22世紀のくせに、脳波を操るのではなく手足を強引に引っ張って操る道具。そりゃあ役立たないだろう。そして操作ボタンの区別がつかないという致命的な欠点が。
  12. ガンじょう:「きらわれよさぶろう」って凄い名前だ。自己紹介乙、って感じ。しかし初期は税金とる暴れん坊が街にやってきたっつう展開多いなあ。
  13. ネンドロン:ガンじょうの続編。ここまで明確に続いているのは珍しい。そしてオチはまたスネ夫母子。スネママの整形後の顔が放送禁止レベル。「お前もおばけにしてやるざます」ってのも後年の甘やかしママにはありえない台詞。
  14. かぜぶくろ:一家に1つ欲しい道具。使い捨てらしいけど。ジャイアンの鼻水噴射を見ても助けようとせず「あれをわたしにうつすつもりだったの」って・・。
  15. わすれろ草:登場人物たちの道具の使いこなしがうますぎる。おもらしオチはのび太にとっても定番だが、初期はスネ夫率高い。おむつしてる設定だったしね。
  16. ロボットカー:夢の自動操縦車。一般道を走っても大丈夫らしい。性格に難有りなのはバギーちゃんも一緒か。
  17. たねのない手品:これが発明されたらもう手品師っていう職業で食っていける人はいなくなるんだろうな。最後のコマのママの顔が違うのはご愛嬌。
  18. スケスケ望遠鏡しずちゃんの入浴シーン初公開!とはいえ湯船の中なので控えめな感じ。小池さんも登場。オチにはまたスネ夫母子が。
  19. アベコンベ:ドタバタパニック的傑作。町中へ一瞬で波及し、大ゴマで大パニックと言う展開が腹がよじれるほど笑える。あの靴と帽子が逆になったオヤジは何でしかめっ面なの?面白すぎる。
  20. 宝くじ大当たり:道具で金儲けをするな!といいつつ、金儲けがしたくなって奮闘するも、結局できなかったという話。パパの不運っぷりが泣ける。
  21. 黒おびのび太:2作続けてパパオチである。別にわざわざ机を離して飯食う必要はなかろうに。しかも「ほどけるまで」って何だよ。かわいそう。
  22. 石器時代の王さまにのび太は原始時代に行ってもダメというお話。晩のおかずに、と殺されかけてるのに笑顔ののび太がバカすぎる。野比家の先祖?だけ服を着てない。
  23. お天気ボックス:珍しく、やけに好戦的なのび太。お天気ネタって結構多いなあ。
  24. メロディーガス:オナラで歌を歌えるという、隠し芸以外に用途の無いバカバカしい道具。ハトポッポの歌詞が絶妙に「アレンジ」されているあたりが芸が細かい。しずちゃんの「ヘ長調ね」というコメントに爆笑。
  25. お金なんか大きらい!ドラえもんがいつもにまして無責任。そしてまたパパが道具でいじられる。落ちてるキャンデーを勝手に食う奴らもどうかと思う。
  26. いつでも日記:「タイムテレビ」同じような予言系の話だが、こちらのほうがさらに話が良く出来ており、間違いなく傑作。先が読めない展開にハラハラ?する。ドラえもん、最後のコマだけ解説しに出てくんなw
  27. 物体瞬間移動機:ヒネリのない道具名。中身もそのまんま。なぜこんな犯罪を助長するような道具があるのやら。
  28. コベアベ:アベコンベとは似て非なる道具。「お風呂に入ってきれいになるんだ」と、フリとしか思えないドラの行動。しかし犯罪者の多い街だな。
  29. スーパーダン:スーパーマンのパロディとはいえもうちょっとネーミング何とかならんかったんかw 押し掛けヒーローは迷惑だ。
  30. おはなしバッジ:F氏お得意のこじつけ展開満載。よくもまあこんな話を考えられるもんだ。最後のセワシのセリフがてんコミ版と微妙に異なるような?
  31. ゆめふうりん:ガキ大将に憧れるのび太。気持ちは分からんでもないが、パパが可哀想。そして念願かなってガキ大将になっても何もできない。
  32. ぼくの生まれた日:これは名作。のび太が、自分は本当の子供じゃないのかもと疑って、10年前を見に行くが・・・。親の顔が見たいなどツッコミ待ちの場面多数。最後のコマはちょっと泣けるが、ドラえもんはもうちょっと微笑ましい表情をしててもいいんじゃないか。
  33. 悪運ダイヤ:良心と悪意が渦巻く話。ゴチゴチ頭をなぐりながら歩くドラとのび太ははたから見たらただのキチガイだ。そしてジャイアンはもともとは悪くないのだが。
  34. 友情カプセル:ドラのびが友情を再確認するところが何だかイイシーンだ。この話ではスネ夫は完全に悪党。こういう頭脳戦はジャイアンよりスネ夫に合うね。
  35. 世界沈没:うーん、傑作だ。1つの謎をめぐって物語が動き、ラストに向かって収束していく様が非常によくできてる。わずか1コマで全ての真相が明らかになるオチは脱力すること間違いなし。
  36. この絵600万円:現代(昭和47年)と昭和24年を行ったり来たり。「このへんは昭和43年にぶっこわしてボウリング場になるんだよ」というセリフが何故か忘れられない。
  37. 温泉旅行:家族旅行をテーマにした数少ない作品。ほんとは狭い部屋だからという台詞通り、どこかスケールの小さくみみっちい感じがまたいい。
  38. 大きくなってジャイアンをやっつけろ:ここへきて「けんかマシン」の名がまた出るとは。伝説レベルに役立たない道具も2つ登場。「なにをねぼけてやがる」というジャイアンの返しがいいなぁ・・。
  39. 未来世界の怪人ジャイアンがいつも以上の悪党に。世界征服までたくらむ。確かにできそうだが。くすぐりノミなど、小二で登場した道具との再会もあり。
  40. ハイキングに出かけよう;記念すべき、ドラミ初登場の話。しかしこの後本編には長らく登場せず。後年の優等生とは少し違う奔放な性格のドラミ。これはこれで可愛いが。ドラミを「あのチビ」扱いするのび太もこの1回きり。
  41. ジキルハイド:これまたジャイアンが手強い回。のび太とジキルハイドのび太の性格のギャップが凄い。切れた途端に「ショボ」って擬音もまた情けない。
  42. アパートの木:少年少女の夢を叶える秘密基地を作る道具。しかしごっことはいえ一晩でうずもれるってのも危険だこと。
  43. のび太漂流記:ひとりで旅に出たものの、結局ドラえもんに助けられっぱなし。ただ始めからドラえもんをあてにして旅に出たわけではないのでちょっとは偉いか。ちょっとは。
  44. キャンデーなめて歌手になろうジャイアンの公害的な歌が全国的に知られた話。全国のテレビが壊れ、救急車がてんてこ舞いってどんだけだよ。
  45. ぼくを、ぼくの先生に:こりゃあ家庭教師をつけたくなる気持ちも分かるわ・・。クラスで2番になるかもねって、1番じゃないのか。のび太は高校生になって少し体格変わるんだね。
  46. こっそりカメラスネ夫、盗撮とか悪趣味過ぎる。そしてそれを見て笑うみんな、おまけに「いつだれにみられても恥ずかしくないように生活」って無理だろ!最後のビデオはぜひ上映するべき。
  47. ミチビキエンゼル:この道具自体は悪くないと思うのですが。ただ使い方が悪いというのと、自分で外せないのがね。「それは、もちろんアカンベエしなさい」で素直に従うのび太・・。
  48. イイナリキャップ:本物のライオンと会話したり、食われそうになるというとんでもない話。バターを塗った体で服を着るなんて想像しただけで気持ち悪い。
  49. 宝さがし:数多い宝さがし話のひとつ。ムナシおじさんという冴えないキャラが1回きりの登場。最後の最後まで結末が予想できない展開で面白い。
  50. シャーロック・ホームズセット:ちょっと長めの謎解き話。ステッキの倒れる方向が絶妙で「あれ?」ってなる。うまいことやるなあと。結局のび太がボンヤリしてるのが悪いだけという結論か。
  51. ママをとりかえっこ:最大の謎は、なぜジャイアンがいないのかということか。一番個性のあるママだと思うのですが。親だって人間だもんな、というちょっと教育入った話。最後は弁解しようがない。
  52. 変身ビスケット:変身過程の「ヒヒヒン」とか「ケッコウケッコウ」とか、顔が微妙に変わっていくあたりが笑える。'74年の作品だがてんコミではなぜか第3話に入っていた。
  53. ○○が××と△△する:いわゆる世界操作ギャグ。月並みな感想だが、よくできてるなあ・・・。最後は物言わぬオチ。チューなんて書かずにキスと書いておけば良かったのに。
  54. タヌ機:どう考えてもタヌキに似てるのはドラえもんなのに、当時はのび太がタヌキ扱いされていたのだ。バカされた瞬間に陶酔するドラえもんが面白すぎる。
  55. 人間製造機:恐怖の道具。勝手に道具をいじるのび太が憎い・・。しずちゃんに「2人で赤ちゃんを作る」ことを誘うのび太と過剰反応をみせるしずちゃん。早熟ですねえ。
  56. 世界平和安全協会?:街の嫌われ者シリーズ。しかしこういうことする連中ホントにいたんだろうか?横領罪なんだから、警察に言ったら一発解決な気もするのだが。
  57. 赤いくつの女の子のび太の幼少時の淡い恋物語。結局、ノンちゃん側にはしこりもないまま今もアメリカで暮らしてるわけか。ていうか当時しずちゃんは?
  58. ラッキーガン:常に1/4じゃないとあんまり意味がない道具のような気もする。臆病で卑怯者なうえにドジなのび太と意外と度胸あるスネ夫が対比的。「ドジャン」のビジュアルショックが強烈。
  59. ジャイアン乗っ取りしずちゃんがいかにしっかり者かということがよくわかる。それにつけてものび太の情けなさよ。道具で卑怯なことをしようとしても、うまくはいかないのね。
  60. 流行性ネコシャクシビールス:しゃれ子ちゃんは同級生なのか?のび太がエロ精神全開で超ミニスカートを流行らせようとする。「もっともっともっと短く・・・」どこのエロオヤジだお前は。
  61. 見たままスコープ:「いやな人!」としずちゃんのちょっと色っぽいツッコミ。さすが六年生。しかもいとこばっかり見てるのび太に軽く嫉妬。立ちションを見せられるセクハラまで受ける。
  62. マッド・ウォッチ:時計を持った人にに触れていれば一緒に時の流れを抜け出せるらしい。前話に続いてしずちゃんが大人っぽく、ウダウダのび太にちょっと冷たい。終盤ののび太はどうしようもない・・。
  63. ツチノコ見つけた!:「ぼくももうすぐ中学生」で始まる卒業間近の小六生へのエール。ツチノコという時代の産物がテーマ。「剛田武?どこかできいたような・・」どっかでじゃねーよw 2045年ツチノコブームは来るのか?ジャイアンツチノコを見つけたその後は特別資料室で。これはカットする必要なかったのでは。

エスパー魔美(1)

エスパー魔美 1 (藤子・F・不二雄大全集)

エスパー魔美 1 (藤子・F・不二雄大全集)

  1. エスパーはだれ?:第1話。魔美の超能力の目覚めは、最初は高畑が自分のものだと勘違いしているせいもあり、一筋縄ではいかない。暴力シーン(高畑が殴られる)も他作品に比べるとややハードなものがあり、対象年齢層がやや高いことを伺わせる。
  2. 超能力をみがけ:2色カラーで妄想(夢)炸裂。この話ではまだ超能力を自覚した魔美があふれる夢を楽しんでいる段階。
  3. 勉強もあるのダ:授業中に妄想第2弾。テレポーテーションの原理が判明。この話の最後で超能力の持つ「闇」の部分が描かれ、超能力を他言してはならないという意識が芽生える。また、今後どのように超能力を使っていくべきかという主人公の立ち位置が明確になってゆく。
  4. 名画(?)と鬼ババ:第1巻では恐らく1番の名作。TV化されるのを意識したかのような巧妙かつ感動的なストーリー運び。最後のコマは何も語っていないのに真相が読者に分かるようになっている。タイトルに(?)は要らないと思う。
  5. 友情はクシャミで消えた:ついに高畑さんに真相がバレた回。その瞬間の高畑の気持ちを察するともう居ても立ってもいられない。これは明らかに隠してた魔美が悪いよな。ここがひとつの転機。
  6. くたばれ評論家:これも名作。評論とはいかにあるべきか?そして評論を受ける側はいかにあるべきか、というテーマを描く。テレポーテーションメカ初登場。扉が映画的。
  7. 春の嵐:若者の色恋沙汰。終盤はアクション映画のような激しいシーンが満載。楽しい。
  8. 一千万円・三時間:魔美のどうしようもないお人好しな性格が全開に。鬼ババの後日談もあり。「これでいいの?」って感じも受けるのだが。高畑さんが魔美の胸とパンチラにドキドキ。
  9. どこかでだれかが:ついに魔美のヌードモデルシーン初公開!しかもわざわざ話の序盤に持ってきて2色カラーを使うという気合の入りよう。高畑の「大きな力をもつということは、大きな責任を負うことになる」という名台詞あり。
  10. 未確認飛行物体!?:何故かUFOのインチキ撮影にも詳しい高畑。グラスワークなんて普通知らないぞ。
  11. ただいま誘拐中:警察捜査に介入。月をバックに「さすがプロね」と呟くシーンがちょっと怪盗チック。
  12. 魔女・魔美!?:「理屈じゃないんだよ、人を信じるってことは」。高畑、かっこいい!ラストシーンがサイレントで怖い。あの後どうなったか想像するともっと怖い。
  13. わが友・コンポコ:事件は小規模。高畑の妄想・コンポコ呼び間違いなど、笑えるシーン満載。魔美の、自分の裸を想像されても「いいのよ、別に」で済ます心の広さが素晴らしい。

キテレツ大百科(1)

キテレツ大百科 1 (藤子・F・不二雄大全集)

キテレツ大百科 1 (藤子・F・不二雄大全集)

  1. ワガハイはコロ助ナリ:発明少年・木手英一が、先祖の遺した奇天烈大百科の秘密を発見し、発明にのめりこんでいく第1話。まずは舞台紹介と人物紹介から。タイトルとは裏腹にコロ助の登場はラスト2ページのみ、しかも「コロ助」という名前は話中には出てこない。
  2. 脱時機でのんびり:第2話にして、時間を抜け出すといういきなりレベルの高い発明。ドラえもんでいうと狂時機かタンマウォッチか。永遠の浪人生、名物キャラの勉三さんも登場。コロ助はまだ「頭の悪い助手」という感じのポジションだ。
  3. しん気ろうでやっつけろ:しん気ろうの現れる仕組みを丁寧に解説。後年の「四海鏡」にも通じる発明。レンズ欲しさに望遠鏡をせがみ、パパがキテレツのことを理解してお金を渡してくれるところが良い。と思う。
  4. キッコー船の冒険:月刊誌連載だったこともあり、季節感のある話が多いのもキテレツの特徴。夏と言えば海。海に行きたい余り、狂い気味のコロ助。「海と関係ないじゃんかナリ!」話はまさに大冒険。見開きの海が気合入ってる。
  5. 聞き耳ずきん:いわゆる動物語ヘッドホン。性格のいい動物も悪い動物もいるってのがやけに現実的。
  6. 片道タイムマシン:ついにタイムマシン登場!しかし行ったはいいが壊れて帰れない。あっという間に2ヶ月経ってしまう展開に驚くというかよく2ヶ月持ちこたえたな。キテレツ斎さまも初登場。
  7. モグラ・マンションドラえもんの「大むかし漂流記」を思わせる、混乱の真っ只中から物語が始まって、そこから振り返っていく構成の話。キテレツはのび太と違って頭が良いので、仲間内でもちょっと頼りにされている感じ。
  8. 江戸時代の月面図:いよいよ宇宙にまで飛び出す。キテレツに相当な死の危険が迫った回のひとつ。極限状態でのキテレツとコロ助の葛藤が見物。オチは・・ちょっとアポロ月面着陸の疑惑を連想してしまう。
  9. 公園の恐竜:F氏がこよなく愛した恐竜がやっぱり登場。しかしタイムトラベルではない。未開の地にまだ見ぬ世界があるという「のび太の大魔境」的な発想だが、やはりちょっと無理がある舞台設定か。
  10. キテレツの団体:導入は原子の話。比較的珍しいドタバタコメディ。ブタゴリラにキテレツが4連続で質問するあたりがさすがのテンポの良さ。
  11. 冥府刀:四次元の世界へ行くというトンデモ発明。四次元空間が実際に描かれたのは最初で最後。みよちゃんが消えた後にキテレツが並べ立てる「神隠し話」は後年に「のび太の日本誕生」でも使われて多くの子供達にトラウマを残した。
  12. 一寸ガードマン:自分の作った発明品を奪われ、その倒し方を考えるとは本末転倒すぎる・・・。しかも想定とは違う結果で解決。
  13. チョーチンおばけ捕物帖ブタゴリラの自分勝手な振る舞いが絶好調。それが原因で本当の犯罪に巻き込まれて大泣き。何やってんだか。正義を振りかざすだけでは迷惑という作者の気持ちが見え隠れ。
  14. 地震の作り方:力学(振り子)。大震災直後に刊行された文庫で削除された不遇の作品。地震が起こった時の対処としてキテレツのせりふは防災の勉強になる。今こそ必要な道具かもしれない。
  15. サイボーグキンちゃん:これはサイボーグ化される動物からしたらどうなの?という感じもするが、キンちゃんがいきいきしているので良しとしよう。最後はやっぱりお別れなんだなあ・・・。
  16. 潜地球:地面にもぐる話で覗きシーンがあるのは定番なのだろうか。ブタゴリラに秘密を勝手にばらして怒る奴らが理不尽すぎる。
  17. 水ねん土で子どもビル:状態変化の話。ためになる漫画だ。しかしこのスライム状の水に一度でいいから入ってみたい。展開はドラえもんの「水加工用ふりかけ」そっくり。
  18. うらみキャンデー:珍しくオカルトじみた発明。乙梨君は相当歪んだキャラクターだが、特にしっぺ返しもなく、少しばかりシコリの残る話ではある。床に落ちてるものをひょいっと口に入れるのはやめましょう。
  19. 失恋はラブミ膏:タイトルが抜群に良いと思う。勉三さんの女性に対するアプローチ方法が常識はずれ過ぎて笑ってしまう。キテレツとみよちゃんには結局明確な恋愛エピソードは無いまま・・・
  20. らくらくハイキング:序盤のワープネタは「21エモン」や「のび太の宇宙開拓史」でもおなじみのもの。ブタゴリラの唇はなぜ分厚くなっているのか・・・?

ドラえもん(1)

ドラえもん 1 (藤子・F・不二雄大全集)

ドラえもん 1 (藤子・F・不二雄大全集)

▼1959年度生まれ編

  1. 未来の国からはるばると:あまりにも有名なドラえもん「小四」版第1話。この第1話の小さな出会いから27年に及ぶ大河連載が始まったのである。小四版ということは一番高年齢向けということであり、子孫とか未来のしくみも詳細に語られ、またのび太の悲惨な未来も余す所なく描かれている。のび太の未来アルバムも、最後の場面が25年後の1995年だからそれすら15年も過ぎてしまったのか。なお、最初の道具は「ヘリトンボ」(後のタケコプター)。
  2. ドラえもんの大予言:これまた有名な(?)第2話。車に轢かれる運命から逃げて逃げて、その果てには・・・。肝心な道具を肝心なときに忘れるというドラえもんの後年までの癖は既にここで見られる。当時のタイムテレビはプロジェクト式。後年のものより高機能だ。
  3. けんかマシン:変な出で立ちのヤンキー、飛んでいってぶっ壊れる自動車、入れ舌による罵詈雑言など、少々危ないネタを含むドタバタ劇。そのせいかてんコミには収録されず。当時の小四生はわずか3回でドラとお別れ。

▼1960年度生まれ編

  1. 机から飛び出したドラえもん:ほとんど知られていない「小三」版第1話。展開は小四版とほとんど同じ。だが未来ののび太をタイムテレビで実態映写して見せるというやり方で追い詰めていく展開が少々スパルタな感じ。オチはいまいち。
  2. 愛妻ジャイ子!?:小四では第1話でジャイ子との結婚が明かされていたが、小三では第2話で明かされた。ここで登場した子孫の「東京大阪間例え話」がてんコミ版第1話にも追加された。最後にのび太が若干の自立を見せる結構いい話なのにてんコミ未収録なのは解せない。
  3. のび太が強くなる:道具で自信をつけて調子にのる、というのび太のよくあるパターンが第3話にして早くも登場。ドラえもんの涙ぐましい努力。
  4. おいかけテレビ:未収録(注:「プラス」収録)なのが勿体無いくらいのドタバタギャグ傑作。後年にも頻繁に登場するテレビネタ。スネ夫母子が大活躍、というか悲惨な目に合う展開は序盤に多く見られる。
  5. (秘)スパイ大作戦:言うまでもないことですが、最初期ドラの敵はジャイアンではなくてスネ夫である。スネ夫に弱みを握られたので、逆に弱みを握り替えそう!というとんでもないお話。のぞき見はいけませんよ。
  6. 白ゆりのような女の子:名作。初のタイムトラベル系作品と思われる。パパの初恋物語。まだ当時は小学生くらいの子供の親は戦争体験がある時代だったので、戦時中へタイムスリップする話もいくつか見られる。一部、自選集向けの加筆あり。
  7. ロボット福の神:またどうしようもない道具である。そしてオチはスネ夫。このしょうもないオチは秀逸だと思う。
  8. のぞきオバケ:爆笑傑作。なぜ未収録だったのか不思議なほど。「写真もぼくらばかり映ってる」あたりが最高に笑える。最後の最後までのぞきオバケの正体の予測がつかないというか・・・わかるかこんなの。
  9. ああ、好き、好き、好き!:ぼた子という強烈なインパクトを与えるキャラが登場。藤子はブサイクキャラも秀逸だ。独身アパートぐらしの先生、カバみたいなおっさんなど見どころ沢山。ギャグのテンポも良くて笑える。オチは悲惨。
  10. ペコペコバッタ:結局、みんなそれなりの悪事を抱えているという話であった。優等生がカンニングしてるとかはともかく、警官が石川五右衛門怪人二十面相というのはどういうことだw
  11. わすれとんかち:これも傑作。ほんとに初期は立て続けに傑作が出るな。なんといっても正体不明のおじさんのキャラがなんとも言えない味を出している。またもスネ夫母子が活躍。おしぼりの上!オチはめちゃくちゃだが笑える。
  12. タイムふろしき:有名な道具の初出話。のび太が「カラーに買い換えましょう」と言っているが、白黒テレビがまだ普通の時代だった('70年のカラーテレビ普及率はわずか26.3%)。そしてオチはまたスネ夫母子。「新しすぎるざますっ!」
  13. のび左エ門の秘宝:文政9年にタイムスリップし、初めて先祖に会いに行く話。そして数多い宝探し話の一発目でもある。ドラのびの非常識な押しかけっぷり・・・。
  14. 好きでたまらニャイ:結構いくつかあるドラの恋愛話の先駆け。恋に悩むドラのイカレっぷりがやばい。のび太の恋愛コーチとか、ドラの自殺未遂(!)とか滅多に見られないシーン満載。そして恋が成就する珍しい展開。
  15. ドラえもん未来へ帰る:最終回。今回初収録。当時は「小五」への連載はなかったため、「小四」3月号が最終掲載話。前半の非常識な未来人たちが怒りを覚えるほどウザイが、後半の展開は悲しすぎて胸が痛くなる。ずっと笑って寂しさをこらえていたドラえもんが別れの間際に感情を爆発させて「のび太くんとわかれるのいやだあ!」と泣き叫ぶのは当時の読者にはショッキングだったに違いない。のび太の成長も「ましになった」程度で一抹の寂しさが残る最終回。

▼1961年度生まれ編

  1. 未来からきたドラえもん:これまたほとんど知られていない「小二」版第1話。ドラが過去へきたいきさつが少々簡略化されている。6種類ある第1話の中では唯一ドラえもんを両親に紹介する場面が描かれている。ばけねこ扱いされてますが。
  2. やきゅうそうどう:野球とお灸の区別もつかない無知なドラえもんだが、一応役には立っている。実力で入ったわけではないと悩んで練習するのび太が偉い。
  3. オーケーマイク:道具主体の話。やはりオチはスネ夫がもっていく。最後のコマで「三年生になったら『小学三年生』でかつやくするよ」と次号予告するあたりが何とも学年誌っぽい。というかそのコマのドラが異様にデカくて何か笑える。
  4. まんが家:「三年生にもなったら」という単行本に収録しにくい台詞から始まる。のび太の未来がいちいち面白い。そしてフニャコフニャオ初登場。初期にありがちなドラえもんが暴走してそれをボンヤリ見ているのび太、という展開。
  5. 恐竜ハンター:最初のタイムトラベル物。恐竜時代で激しいアクション。食われそうになったのび太の対処が頭良すぎる(実際はそんな短時間で光は集まらんだろうが)。
  6. ご先祖さまがんばれ:またもタイムトラベル物、今度は戦国時代。ほとんど最古のご先祖様が登場。ドラが対抗意識を燃やすのはやっぱりスネ夫
  7. 古道具競争:後半のたたみかけていく展開が秀逸。ママが狂っていくのに加え、パパの「まず、タバコを一服」〜「気持ち悪うい。助けて」あたりの一人芝居がやたら笑える。その次のページの超大ゴマも衝撃的。
  8. ソーナルじょうのび太が泳げないことがまだ有名でなかった時代の話。せっかく夢のような道具なのに、のび太のマイナス思考が炸裂してドラえもんまで巻き込む。
  9. うつつまくら:結局どこまでが夢でどこまでが現実で、うつつまくらという道具があったのかどうかも良く分からないという話。この道具に関しては、夢を現実と入れ替えるということは当人以外の意識はどうなるのか?などと疑問も尽きないので、おそらくまるごと夢オチなのだろう。
  10. のろいのカメラ:この頃は肉体より精神的に痛めつけてくるスネ夫が最大のライバル。のび太の気弱さも今以上だった。パーマンのキャラだったガン子がジャイ子の友達としてゲスト出演。憎たらしい性格は相変わらず。
  11. おばあちゃんのおもいで:おばあちゃんが、タイムトラベルに関して疑問も持たずに、それがのび太という確証もないのに「のびちゃんの言う事をうたがうもんですか」という大きな心で受け入れてくれる場面が全て。後年映画化もされた名作。
  12. エスパーぼうし:かなりハチャメチャな話。灰皿やら便器やらが跳び回ってキャラにぶつかりまくって、しかもその表情がいちいち秀逸。腹踊りに恥ずかしがるジャイアンがなんかレア。
  13. 手足七本 目が三つ:これまためちゃくちゃな話だ。終盤にジャイアンスネ夫しずちゃんが一気に襲ってくる場面が凄い。この漫画、終盤に皆まとめて追っかけてくる場面が多いよな。
  14. ドラえもんだらけタイムパラドックス・ギャグとして非常に完成度の高い傑作。「やろう、ぶっころしてやる」と発狂して自分自身を襲うドラえもんは多くの子どもたちにトラウマを与えた。
  15. のろのろ、じたばた:2話連続で宿題を頼むのび太、全く反省の色なし。「やきいもは、食べる前におならをする」「青森まで行ってきたよ」・・ドタバタギャグ最盛期。
  16. タイムマシンで犯人を:今度は比較的落ち着いたタイムパラドックスネタ。最後「男らしい!」とスネ夫は言ってるが、のび太はまるっきり男らしくない、というか誤りにきたスネ夫の方がよっぽど男らしいぞ。
  17. うそつきかがみ:のっけから美化120%ののび太とママに爆笑である。しずちゃんの変顔も未来永劫見られないもの。貴重です。
  18. あやうし!ライオン仮面ライオン仮面オシシ仮面、というキャラクターの魅力にゾッコン。オカメ仮面の姿も見たかった。そしてまたタイムパラドックスネタ。最後のコマのドラの疑問は永遠に解けることはない。
  19. かげがり:序盤の「おこった。」「あたりまえだ。」というテンポの良さに惚れる。それにしても物騒な道具だな。
  20. アリガターヤ:物語後半のありがたぶりのエスカレートがすごい。「べえ。」→「ありがたいおことば!」何も言ってないだろw
  21. ロボ子が愛してる:序盤、のび太が哀れすぎて泣ける。そしてしずちゃんよなぜそんなに冷たいのだ。イイロボットはレンタル代も高いってことはロボ子はやっぱり欠陥ロボットだったのか。
  22. ドラえもんの歌ジャイアンの初リサイタル記念話。しかし実際は狂ったドラえもんの歌声のほうが酷かったという話。ドラが狂ってからの展開はやたら怖い。オチでいい話っぽくするなw
  23. プロポーズ作戦:パパとママの結婚記念日。どちらがプロポーズしたかを調べに行く。結末はなかなかイイ。
  24. 夜の世界の王様だ!:原稿紛失により雑誌複写。のび太の一人相撲っぷりがおかしい。結局最後は当たり前のことに気づく。
  25. 勉強べやの大なだれ:実際作ったら売れそうな機械だな。しかしラストシーンはちょっと謎が多い。停電で立体映像が消えてママが見て「何やってんの」というオチなんだが、じゃあのび太はなぜまだわめいてるのか?目をつぶってたから周囲に気付いていないのか?でも停電になったらベルトも回らないはずでは?
  26. のび太のおよめさんドラえもんが来てから2年余り、この話でついにジャイ子との結婚という悲惨な運命を回避(この世代の第1話ではジャイ子との結婚は言及されていないが・・・)。タイムマシンで未来を見に行ってしずちゃんと結婚する運命に切り替わったことが判明し、物語は一応の決着を見せた。ラストシーンはしみじみとした味わいがある。
  27. ドラえもんがいなくなっちゃう?:最終回。前月で子孫関係の決着がついて、ドラとセワシにとってはのび太の自立だけが大きな課題として残っていた。のび太の自立を促すためにドラえもんは去り、のび太は一人で前に向かって歩き始める。ふたりが永遠の友情を築いた後年では決して見ることのできない、きわめて前向きで希望の持てる最終回。名作です。
  28. 再開予告:そして1年後、小六で連載再開!1年前の感動は何だったの?という気もするが、貴重な最終回を読めてしかもまたドラえもんに再会できた幸運な世代である。
  29. 石ころぼうし:再開1話目で「周りがうっとおしい」ってどういうことだ。しかしさすが6年生向け、多少エスプリの効いた話になっている。
  30. してない貯金を使う法:現代人の生き方=ローンの多用、これがいかに馬鹿らしいことかを教えてくれる作品。やはり6年生向けは違う。
  31. N・Sワッペン:と思ったら今度はただのギャグ話。しかしよく練られた話だと思う。
  32. ママのダイヤを盗み出せ:「ふたりのあやしい男が忍び込んで」というママの台詞から結末が予測できてしまいそうな話だが・・・やはりよく出来たタイムパラドックス話。
  33. 加羅峠の宝物:数多い宝探しの話の中でも、実際に現金をゲットできた話はこれ1回きりではなかろうか。しかも100万円?の札束。何に使ったのだろう。
  34. 怪談ランプ:道具で強引に世界を操作してしまう系の話は多いが、これは怪談を作り出してしまうのだからすごい。最初のママの話の「こわくて」は「硬くて」という意味です。
  35. 月給騒動:何か事件が起こって、それを解決するためにドラとのび太が過去に行って、結局事件の原因を作ってしまう・・・本末転倒な定番展開。
  36. 未来からの買いもの:だからドラえもんもそんなカタログを部屋に放置するなっての。しかも返品認められないってどういうことだ。
  37. 一生に一度は百点を・・・:滅多に出てこないジャイアンの父ちゃんがやたらいいことを言ってジャイアンをボコボコにする。すごい存在感だ。
  38. いやなお客の帰し方:ホタルの光のメロディーを流すってとこがいい。確かにそれが流れたら帰らなきゃって気分になるよな。子供の頃は閉店間際まで店にいることがないのでわからなかった。
  39. 出さない手紙の返事をもらう方法:しずかちゃんにいやらしい手紙を出すというのび太のエロ精神全開。何が書いてあったのか気になる。スネ夫の「じつにまったくほんとにもうこの世のものとも思えない大バカ」という文面もテンポが良くて好きだw
  40. ユメコーダー:「まず自分が理想の人物にならなきゃ」いう言葉で、卒業間近の小六生にさりげなくエールを送るドラえもんのび太は結局理解できていなかったけど。

パーマン(1)

パーマン 1 (藤子・F・不二雄大全集)

パーマン 1 (藤子・F・不二雄大全集)

  1. パーマン誕生:記念すべきサンデー版第1話。各社単行本の第1話にもこれが採用されており、最も有名な第1話である。スーパーマンパーマンセットを渡され、みつ夫がパーマンに変身。いきなり飛行機を墜落事故から救い、数百人の命を救っている。カバ夫、サブ、みち子などの友達サブキャラはここで出揃う。
  2. パーマンに水難の相パーマン2号(ブービー)登場。暴力団との戦い。大ゴマで2階の床をぶち抜くシーンの爽快感は格別。
  3. 野球は二人でパーマンパワーを野球に利用。一人で圧勝。それでいいのかみつ夫・・・
  4. コピーロボットの逆襲:ロボットとはいえ、コピーはみつ夫とは別の自我を持って行動するので、それがしばしば騒動を巻き起こす。そんな展開の先駆けとなった話。
  5. はじめましてパー子です:ヒロインのパー子こと3号がついに登場。後年は1号との恋話も涌き起こるが、まだこの時点では(というか旧作では)そんな気配はなし。科学者の口から飛行とパワーアップの原理が語られる。
  6. 砂漠のジン魔神:上記パー子登場話と同時掲載。初めて海外へ遠征に出かけるパーマン一行。博士は最後に「頭を打ってバカに」なってしまう哀れな末路。
  7. にせ者パーマン:三重晴夫の嫌な性格全開。しかし、レプリカとはいえパーマンセットが簡単に偽造できてしまうのもどうかと思う。
  8. パーやんですねん:4号・パーやん登場。仲間内で最も頭脳明晰な彼は、今後、大事件を中心に事実上リーダーのような立ち位置で活躍していくことになる。ミツ夫の立場が弱くなるのもやむなし。この話、作業服のパー子が可愛い。
  9. ニセ札犯人を追え:2号が活躍。最後のページ、あれだけ暴れたら犯人死んでると思うのですが・・・
  10. パー子の正体は?:明かされていなかったパー子の正体が「秘密」であることが初めて意識的に描かれた。結局この話では正体判明せず。藤子先生がまだ考えてなかった可能性も。
  11. わたしの命はねらわれている?:人騒がせな屋敷の主人の依頼。パーやんも参戦し、彼の頭の良さが本格的に描かれ始める。最後は結構イイ話。
  12. 先生がくる!!パーマンの活躍抜きに、ミツ夫の日常のためにパーマンセットを乱用しているだけの話も多い。この回は特にしょうもない話で、呼びつけたパー子がくだらないと怒るのももっとも。
  13. 怪獣さがし:2号と2人で怪獣探しのためアマゾンまで遠征。土人という単語は消されているが姿形はそのもの。アホ2人の遠征だからこそ成り立った話。
  14. 生きうめパーマン:この回の敵は本気でパーマンを殺しにきている(しかも手口が功名)ため、かなり死の危機に迫った展開となった。ミツ夫も機転がきくようになってきた。
  15. 世の中うそだらけドラえもんでも散々出てきたエイプリルフールネタ。ママは一枚上手でした。
  16. パーマン全員集合!パーマン4人がただひとつの目的のために東奔西走する。この事件を経て、4人の友情は一歩先まで進んだといえる。スーパーマンも何だかんだでいい保護者だ。
  17. 故障したコピーロボット:冒頭の決意は前の回からの流れと思われる。大変な事態でもさりげなくパー子の住所を探ろうとするミツ夫・・・
  18. ゆうれい船:金儲けという不純な動機がきっかけで、人の命を救うことになった話。
  19. 牧場をとりもどせ:珍しいパーマン単独行動。北海道にて。ジョン上井というネーミングに笑った。
  20. やさしいやさしい女の子:パー子の「首根っこへし折って差し上げるわ」「いい気におなりになって!!」といった、荒っぽいんだか丁寧なんだかよく分からないセリフが面白い。しかし女性を呼んで炊事選択をやらせようとするとは。
  21. 怪人千面相:左右から迫ってくる壁なんて想像しただけでゾーッとする。しかしミツ夫よく上がれたな。
  22. 死の船:久々に人命救助のための出動。遭難、沈没、伝染病・・・とかなりシリアスな話。パータッチをひょんなことから発見する。
  23. 毒ガス密造団化学兵器も登場。
  24. コピーロボットの反乱:そりゃ普段のみつ夫の使い方見てるとコピーも反乱したくなるよなあ・・・