単行本用描きおろし絵収録状況

まとめてる人はいなさそうだったので、まとめてみた。
忘れがちな描きおろしカット、ドラえもんの既存単行本の表紙絵・総扉の全集への収録状況。

巻数 表紙カバー 総扉
1 1巻P.1(総扉) 7巻P.9(目次)
2 3巻P.1(総扉) 4巻P.7(目次)
3 20巻P.596(特別資料室)
4 4巻P.1(総扉) 2巻P.9(目次)
5 1巻P.7(目次)
6 3巻P.9(目次)
7 20巻P.597(特別資料室)
8 2巻P.1(総扉) 5巻P.7(目次)
9 5巻P.1(総扉) 11巻P.9(目次)
10 13巻P.1(総扉) 6巻P.7(目次)
11 6巻P.1(総扉) 20巻P.598(特別資料室)
12 8巻P.1(総扉) 20巻P.599(特別資料室)
13 20巻P.590(特別資料室) 13巻P.9(目次)
14 7巻P.1(総扉) 8巻P.11(目次)
15 10巻P.9(目次)
16 20巻P.600(特別資料室)
17 16巻P.744(特別資料室)
18 15巻P.1(総扉) 14巻P.9(目次)
19 12巻P.9(目次)
20 9巻P.1(総扉) 9巻P.9(目次)
21 12巻P.1(総扉) 17巻P.11(目次)
22 18巻P.3(目次)
23 10巻P.1(総扉) 16巻P.745(特別資料室)
24 16巻P.1(総扉) 15巻P.8(目次)
25 17巻P.1(総扉) 16巻P.11(目次)
26 11巻P.1(総扉) 16巻P.746(特別資料室)
27 18巻P.1(総扉) 19巻P.586(特別資料室)
28 「Fの森の歩き方」表紙 10巻P.751(特別資料室)
29 19巻P.9(口絵) 19巻P.12(目次)
30 20巻P.11(目次)
31 20巻P.1(総扉) 19巻P.587(特別資料室)
32 19巻P.1(総扉)
33 14巻P.1(総扉) 19巻P.588(特別資料室)
34
35 15巻P.766(特別資料室)
36
37 14巻P.7(口絵)
38 15巻P.767(特別資料室)
39 16巻P.747(特別資料室)
40 16巻P.7(口絵) 19巻P.589(特別資料室)
41 15巻P.6(口絵)
42 17巻P.6(口絵) 17巻P.582(特別資料室)
43 17巻P.7(口絵) 20巻P.601(特別資料室)
44
45 17巻P.8(口絵) 17巻P.583(特別資料室)
巻数 表紙カバー 総扉
1 16巻P.8(口絵) 13巻P.684(特別資料室)
2   13巻P.685(特別資料室)
3   13巻P.686(特別資料室)
4   13巻P.687(特別資料室)
5   13巻P.688(特別資料室)
6 16巻P.9(口絵) 14巻P.580(特別資料室)
7   14巻P.581(特別資料室)
8   14巻P.582(特別資料室)
9   15巻P.762(特別資料室)
10   15巻P.763(特別資料室)
11   15巻P.764(特別資料室)
12   15巻P.765(特別資料室)
13   16巻P.740(特別資料室)
14   16巻P.741(特別資料室)
15   16巻P.742(特別資料室)
16   16巻P.743(特別資料室)
17   17巻P.578(特別資料室)
18   17巻P.579(特別資料室)
19 8巻P.7(口絵) 17巻P.580(特別資料室)
20 9巻P.5(口絵) 17巻P.581(特別資料室)
21 8巻P.5(口絵) 18巻P.348(特別資料室)
22 7巻P.2(口絵) 18巻P.349(特別資料室)
23 7巻P.3(口絵) 18巻P.350(特別資料室)
24 19巻P.10(口絵) 18巻P.351(特別資料室)
25   19巻P.582(特別資料室)
26 11巻P.6(口絵) 19巻P.583(特別資料室)
27 10巻P.4(口絵)  
28    
29    
30    
31   10巻P.750(特別資料室)
32 19巻P.11(口絵) 19巻P.584(特別資料室)
33 10巻P.5(口絵) 19巻P.585(特別資料室)
34 19巻裏表紙 12巻P.722(特別資料室)
35   12巻P.723(特別資料室)
36 (アシ代筆) (アシ代筆)
37 (アシ代筆) (アシ代筆)
38 (アシ代筆) (アシ代筆)
39 (アシ代筆) (アシ代筆)
40 (アシ代筆) (アシ代筆)
41 (アシ代筆) (アシ代筆)
42 (アシ代筆) (アシ代筆)
43 (アシ代筆) (アシ代筆)
44 (アシ代筆) (アシ代筆)
45 (アシ代筆) (アシ代筆)

残念ながら結構収録漏れがありました。
てんコミやFFの総扉なんかは、終盤の巻末資料で怒涛の収録をしていたので、完全収録する意思がなかったとは思えないのです。しかし、こうして見るとかなり抜け落ちています。元原稿紛失か、実はアシスタントの筆だったとか、そういう事情かもしれないけど。しかしてんコミ13巻表紙絵なんかは原稿紛失と思われるが表紙からそのまま収録してるし・・・。また、てんコミの裏表紙のカバー絵や背表紙の顔も収録されていない(・・・と思う。どこかに収録されていて、見落としているだけかもしれないけど)。
てんコミ6巻の全員集合絵がどこにも収録されていないのはどういうワケだ!?見落としてるか!?
4期の後の「Fの森ファイナル」で、補完してもらえることを期待します。

海の王子(1)

海の王子 1 (藤子・F・不二雄大全集)

海の王子 1 (藤子・F・不二雄大全集)

少年サンデー創刊号('59年)から連載された、藤子不二雄出世作。生活ギャグ漫画というスタイルが確立される前の作品だが、SFマインド溢れる読み応えのある冒険物で、後年の作品とはまた違った魅力に溢れている。この作品、特に前半部はキャラやメカの書き込みが非常に丁寧なので、絵も含めてじっくりと読み込みたい。実に50年前(!)の作品ですが、単行本としても藤子不二雄ランド以来25年ぶりの登場。こういう作品が読めてこそ全集の意味があるってもんです。

  1. 黒いおおかみの挑戦:第1話。航海者たちを悩ませるギャング「黒いおおかみ」と、突然現れた救世主の「海の王子」。双方最初は正体不明だったが、物語の中で少しずつ素性が明かされていく。第1話から、東京からアトム連邦(≒アメリカ。何故かサンフランシスコは実名登場)、紅海、死海、地中海をめぐり、(少なくとも)3ヶ月に渡る壮大な戦い。チエノ博士・キーン司令官との対面はまだ。まだはやぶさ号は武器を持っておらず、結局力まかせのタックルだけで敵を倒した。しかし、大洋丸といい漁船乗組員といい、黒いおおかみの攻撃による犠牲者が結構出ているのは少年漫画とはいえシビアだ。最後の最後に死の危機を救ったのは・・・。
  2. 海へび大帝の猛襲:前回の続きで、物語は海の王子の故郷・カイン王国から始まる。ミンダナオ海溝(フィリピン)での「海へび大帝」との戦いが繰り広げられる。ザイル博士がはやぶさ号を改造し、後々まで活躍する針ねずみ砲、氷結弾が搭載される。この話で、チエノ博士と海の王子が初対面を果たす。アトム連邦軍だけでなく、国連軍まで巻き込むスケールの大きな戦いになったが、最後は結局はやぶさ号だけが活躍。チエノ博士がわざわざアトム連邦まで出向いて出動要請したのに、国連軍とは何だったのか・・・。「武蔵と小次郎の一騎打ちだ!」ってお前ら日本人じゃないだろw
  3. 赤いサソリの恐怖:北極点に現れた赤サソリ艦隊が世界中を襲う。北極→ブルーランド(グリーンランド?)→東京→マワイ(ハワイ?)と、またも世界を駆け巡りながら戦いが続く。海へび大帝の東京総攻撃は寸前で食い止めたが、今回はとうとう東京も艦隊の攻撃を受けてしまう(国民はみんな外国に逃げたらしい)。終盤では大規模な総攻撃を食らっており、ここまでくるとそう簡単には復旧できなさそうだが・・・。これ以降、お笑い担当レギュラーとなるサンデー・ニュースの記者・ハナさんが初登場。真面目一辺倒なキャラだらけの中、こういうキャラは絶対必要だよなあ。アポロ連邦のキーン司令官も再登場。新兵器はうずまき魚雷。
  4. 鉄の獅子の襲来:南太平洋に浮かぶ無敵要塞・ライオン島を中心舞台として、「鉄の獅子」と呼ばれるロボット軍団との攻防が繰り広げられる。獅子型の巨大溶鉱炉東京湾を襲った怪物ゴルゴン、ロボット艦隊、巨大ライオン戦艦など、次々に秘密兵器が現れ、それに対抗して海の王子側も、食鉄虫や反射鏡などの新兵器を繰り出す。週刊連載にふさわしいテンポの速い展開だ。空中戦中心だった前話までと違い、海戦中心の戦いとなった。海の王子の珍しい作戦が出てきて読者も思わず騙されるが、意外とトリックを明かすのが早かったのが残念。もうちょっと引っ張っても良かったのに。しかしハナさん、不死身だ・・・。
  5. 恐竜帝国の決戦:アフリカに謎の恐竜が現れ、しかもその目から出る怪光線で小型機の操縦士が石になってしまう。ハナさんが騒ぎに巻き込まれ、海の王子が出動。舞台はロンドン→南イエメンの首都(当時)アデン市→アフリカのバンサ市(サバンナから?)→トンカ火山(モデル不明)の恐竜帝国、とアフリカ中心。手ごわい化石光線と、それを無効化するものが何か?というあたりが物語の焦点となる。海の王子が石化したときと復活したとき、抱きついて号泣するチマが印象的。兄さんのことが本当に大好きなんだねえ・・・。クセのある魅力的なゲストキャラ・スカンレーも活躍。さらに新兵器のマジックスキンが登場し、この話以降大活躍する。
  6. 砂漠の鷹:別冊サンデー掲載の1話完結物。舞台はサハラ砂漠。謎の爆発を取材するハナさんが「砂漠の鷹」に捕らえられ、呼ばれた海の王子と全面対決。ハナさん、捕まるわ、旋風爆弾のスイッチ押すわ、海の王子に迷惑かけてるだけのような。はやぶさ号は翼が折れても飛べ、しかも予備翼まで備えていることが判明。
  7. 海神ポセイドンの謎:原点回帰かどうかは知らないが、再び海の話。舞台は大西洋の深海、伝説のアトランチス王国。太平洋のX点、マリアナ海溝を超える2万メートルの深さの海溝を探っていた最中、海底付近から引き上げた潜航艇に乗っていたのが、アポロという謎の少年。彼が実はアトランチスの王子で、反乱を起こした海軍大臣ゴリアスに命を狙われているという。アトランチスの守り神・海神ポセイドンの正体を探りながら、ここまでで最も激しい戦いを繰り広げることになった。海の王子とチマ、博士やハナさんもアトランチスのアポロ要塞に泊まりこみで戦った。舞台が入り組んでいるうえに登場人物も異様に多く、じっくりと読みこんでいないと話も追えないほど複雑。ゴムロボットの心理戦やポセイドンの幻影など、敵の攻撃の仕掛けもやたら凝っていた。
  8. ロケット・オリンピック:これも別冊掲載。正体不明の敵との戦いは今回はいったんお休みし、番外編的な話。ロケット・オリンピックに参戦してアメリカやソ連やスケルトン帝国(どこ?)と競う。結局はスケルトン帝国の黒豹号と戦う展開になったわけだが。アメリカとソ連が双方ともやけにカッコ良く描かれてます。

(2010/12/11 記)

エスパー魔美(2)

エスパー魔美 2 (藤子・F・不二雄大全集)

エスパー魔美 2 (藤子・F・不二雄大全集)

  1. エスパーコック:超能力はおまけ程度にしか登場しない、一休み的な話。が、高畑には最大の危機が訪れる。魔美の殺人的な料理の腕が判明する回。「ドウ」と壮絶に倒れる魔美がインパクト大。
  2. 地底からの声:夏らしいホラー仕立ての行楽話。結局何も無かったのに、魔美の超能力と異常なほどの怖がりっぷりがかえって恐怖を招いてしまう。結果的には、タクシーの運ちゃんにも仕返しできたが・・・。
  3. 黒い手:全作品中屈指の暗く重苦しい話。交通事故で子どもを亡くした親が、事故を起こした若者に復讐をしようと画策するが。高畑の「してあげられることは、なにもない」という台詞が真理をついていて悲しい。
  4. うそ×うそ=?オバQの「放送屋」こと細矢さんがまさかの再登場。幻のカマイタチにまつわる話で面白いんだが、さすがに全国に話が流れるくだりが現実味なさすぎる。迷信を信じない高畑がやけにのってるのも不自然。
  5. 天才少女・魔美:こんなところにまでフニャコフニャオが登場。ヒゲのせいかちょっとライオン仮面時代より年をとった感じが。原稿が遅れて逃げまわるなど、相変わらず。「暁のスーパーマン」は見るからに人気出なさそうな感じだが・・・w
  6. スランプ:魔美の超能力のスランプ、ピストルを奪って逃げまわる若者、自殺しようとする往年の人気歌手という3つのテーマが交錯する傑作。3人が屋敷で出会って奇妙な連帯感を生み、全てが解決へ向かってしまう。最後の2人のセリフが何か幸せを感じる。
  7. 虫のしらせ:魔美の小さな予知能力が開花。虫の声を聞きに訪れた空き地の地中に埋まっていたのは・・・。あと一歩で死傷者多数の大惨事となる事故を食い止めたのは、自尊心を傷つけられながらもお稲荷様の使いを演じたコンポコ。
  8. 弾丸よりもはやく:ブラック・キューピッドの大統領暗殺計画を食い止めるという、やけにスケールの大きな話。魔美が生死を懸け、緊張感も抜群だが、国家レベルの話の大きさに中学生が介入しちゃうのはさすがに現実味が薄い。冒頭から結末にいたるまでパーマンの「キューピッド・ジム」(全集4巻)の影がうっすらと。
  9. のぞかれた魔女:かねてより嫌な隣人として描かれていた陰木さんとの全面対決・前編。お人好しの魔美ですら「大っきらい」と言い放つのだから相当な物。エスパーであることを突き止めるべく、複数人でストーキングを実施という嫌な展開。最後は若干シコリが残る結末で、次回へ続く。
  10. 電話魔はだれ?:前回の続きの決着編。「謎の怪電話」と「幸せの黄色いハンカチ」という一見何の関係もなさそうなふたつの物語が並行して進んでゆき、最後の最後に点と線が一気につながる小気味良い展開。しかしまあいくら生きていくのが辛いからって八つ当たりの悪戯電話は人間としてヒドすぎるよ。
  11. エスパークリスマスドラえもんのあばら屋くんを思い出す、貧乏一家とのクリスマス。高畑君の「やすっぽい同情はその子たちのためにならない」というシビアな意見に、なるほど・・・と唸ってしまうが、結局彼も人間らしいところを見せる。そんな融通がきくのも彼の良いところだ。
  12. ずっこけお正月:お正月ということで大した事件は(一応)なく、軽い感じのギャグ話。陰木さん一家の変貌っぷりに驚く。息子はあのときハンカチの話をしたのが魔美だと気付いているのだろうか?ジャイアンスネ夫もゲスト出演。
  13. 雪の中の少女:高畑君への手紙で始まる変わった展開。スキー場へ行ってもエスパーは大忙し。遭難救助である。だがエスパーの存在を知られないよう、全面的に自分が出ずに間接的に助けるやり方をとっているあたり、魔美がそれなりに成長しているのが分かる。  (2011/2/20 記)

バケルくん

バケルくん〔F全集〕 (藤子・F・不二雄大全集)

バケルくん〔F全集〕 (藤子・F・不二雄大全集)

'74年から'76年にかけて、「小学二年生」「小学三年生」「小学四年生」にて連載された「バケルくん」。てんとう虫レーベルで単行本が出たり、コロコロに再録されたりしてそこそこの知名度はあるのだが、TVアニメ化されていないというのが他作品との歴然とした差となり、比較的地味な扱いを受けている。
この作品が他と違うのは・・なによりも設定が複雑なことである。ドラえもんなら「ポケットから便利な道具を沢山出す」、パーマンなら「マスクとマントを付けると強くなる」、エスパー魔美なら「少女が超能力に目覚める」と、藤子マンガはひとことで説明できる設定の作品が多い中、バケルくんの基本設定は「小さな人形がたくさんあり、人形の鼻をつつくとその人形が大きくなって自分の魂が人形のほうに乗り移り、自分は小さな人形に変わる」と、まあ絵で見ればもっと簡単なことなんだけど、やはり他の作品と比べるとややこしい。しかもこの人形を使いこなす応用技やもっと高機能な人形も登場して、一体こんな複雑な設定を使ってどういう話を作るんだろう?と思って読み進めると・・なるほど、この設定をこういうふうに使いたかったのか!と納得してしまうこと請け合い。F氏のストーリー構成力を改めて感じさせる作品である。
他にも、「世の中うまく行かない」と主人公自身も語るややこしい恋模様も注目どころ。特にゴン太からユメ代への片想い。ガキ大将がこれほど全編に渡って恋に溺れる作品もそうそう無い。
何度も何度も読み返したくなる大ボリュームの1冊だ。
じゃ、全話レビュー!(ネタバレ注意)
【小学二年生編】

  1. お化けやしき:2〜3月号にわたる第1話。同時連載開始ではないので、ドラえもんなどと違い第1話もこの1種類だけで、この学年だけが読むことができた。この学年は「ドラとバケルともうひとつ」を含め2年2ヶ月に渡ってバケルを読むことになり、まさにドラバケ世代と呼ぶに相応しい学年。この話ではカワルと宇宙人の出会いと、屋敷&人形ゲットの顛末が。イヌがガラス割って入ってきて抱きついてきたら確かに怖いが、「保健所に電話を」って対処が妙にリアル。
  2. カワルがバケルに:4月号掲載なので、ドラバケ世代の1つ下の学年向けの最初の話だが、もちろん人形を手に入れた後の話。最初は土管から出入りするバケルとカワルを描いて読者に「?」と思わせて、中盤で種明かし。早くもユミちゃんがバケルびいきを始め、カワルは複雑な気持ちに。
  3. 身代わり大いそがし:ユミちゃんと2人でハイキング。カワルがバケルとパパに入れ替わりながら山登りするというドタバタ喜劇。「いないように見えるけど、ちゃんといるんだから」って何だよ。つうかユミちゃんも気付けw
  4. パンダを飼いたい:バケルとカワルで露骨に態度を変えるユミちゃんがひでえ。なぜかこの話ではユミちゃんがのび太、バケルがドラえもんのような立ち位置で問題解決。カワルが3話連続で足蹴にされていじける。
  5. バケル一家大集合:カワルはまだ常識のない小学生で、両親は常識人である。他所の家の人にテレビを買ってもらうという状況の異常さに気付かないカワルと、まっとうな反応を見せる両親。子供向けの漫画なのに子供だましになっていないのはこういう現実的な描写のおかげでしょう。この話でカワルは今後多用するテクニック「同時押し変身」を身につける。
  6. 魔法でチンカラプイ:何と、すべて金で解決する話。バケルくんの父親の財布からは無限に金が出てくるので、結構「金で解決」してしまう話は多かったりする。子供はお金が大好きですからね。
  7. びっくりプール:バケルとカワルの不可解な仲の良さが気に入らない、という気持ちは結構分かる。カワル、完全に自分の家気取りだからな。バケルが「出てこいカワル!ぶんなぐってやる!→バケルもカワルも同じぼくじゃないか」って大ボケにも程があるw
  8. ママがクマになる:タイトルがすでにギャグ。中身は完全にパニック漫画。「カワルくんは勉強しにくるんですよ」ってほんと姑息だなあw カワルに良心のカケラもないあたりが逆に清々しい。そりゃユミちゃんにも好かれないっての。
  9. さらわれたのはだれ?:これは傑作。変身人形をうまく使って誘拐犯をお縄に。どんどん書き換えられていく脅迫状が笑える。憎めない犯罪者たちだ。
  10. バケルくん、サンタになる:ようやく、ようやく、カワルが夜のため人のために変身人形を使った回。これまでは自分が得する、自分が褒められるためだけに使っていたのに、大した成長だ。つうか、サンタがいないことを「小学二年生」でバラしちゃって大丈夫なの?F氏は意外とシビアだ。
  11. 楽しいお正月:「同時押し変身」がさらにパワーアップして、ひとつの心でふたつの体を別に動かす技を身につけたカワル。いったいどういう感覚になるんだ・・。それでもまだこの段階では慣れきってない。アルコールは魂そのものに影響が出るようだ。不思議だ。
  12. 人形もかぜをひく?:本人の体調は変身後の身体には影響が無いらしい。永遠に生き続けられるんちゃうか。カワルの変わり果てた姿に対する3人のバラバラの反応がめちゃくちゃ面白い。
  13. 透明人形:なんと透明人間の人形まで登場。人形のバリエーションでも話をつくれるのか。他人が勝手に変身しちゃってあわてるという展開も多い。よくこんな話思いつくなあ。この世代が次に読んだのは「かけもちでお花見」。

【小学三年生編】

  1. みんなの広場をまもれ!:ドラバケ世代が読んだ第2話。カワルはのび太以上に野球が大好きで(ヘタだけど)、野球話は非常に多い。で、この話は一見みんなのためとはなってるが、結局自分が試合に出たいだけだったと。しかも「金で解決」。うーん、なんて現実的な子供漫画。
  2. 変身人形で大騒動:他人変身系展開。小さな子供がバケルになってしまうややこしい話。まあ実際バケルという人格は存在しないので、誰が中身でもバケルはバケルなんだけど。そして記念すべきゴン太のユメ代への一目惚れの瞬間が描かれ、長い長い恋物語が幕を開ける!
  3. ドロボウも頭にきた:おなじみのユミちゃんの、カワルに冷たくバケルにひいきする場面から開始。お化け屋敷(バケルの家)を舞台にドロボウとの格闘。最後はやっぱりバケルがいいとこもっていく。
  4. ファイターZ:「ライオン仮面」から3年、あのフニャコフニャオが帰ってきた!何故かちょっと若返ったような風貌だが、新作「ファイターZ」でも次号が待ちきれなくなるほどの引きの強さは健在。そして先を考えずに描いちゃうスタイルも健在。イヌの「おあずけ!」にワロタ。どんな漫画だよw
  5. ふろ屋で大さわぎ:いやもうほんと、この漫画の設定を考えた時点で大勝利だな、とつくづく思う。人形がどんどん入れ替わるだけの展開なのに、こんなに面白いんだもん。犬の「オーシャワシャワー♪」とかユメ代の貴重なヌードとかいろいろ。
  6. カワルを名選手に:いよいよ始まったゴン太の恋物語。素直なゴン太に比べ、それをもて遊ぶカワルが外道すぎてどうしようもない。結局実力がないから出してもらえないだけなのに、あの手この手を使って試合に出ようとする。いや、ほんと外道だわこいつ。
  7. バケル一家のよけいなおせわ:カワルは外道かと思いきや今度は突然いいやつになるから困る。でも息子に変身ってのはちょっと後先考えなさすぎだよな。
  8. 止まらない止まらない:外道どころかなんかもう非常識すぎてやばいぜカワル!すべて中身がカワルってのは分かってるんだが、バケ左エ門になってる時はあのアホ面も相まって、バケルのとき以上に馬鹿になってるように見えるのは気のせい?ブレーキ踏めないって馬鹿どころの騒ぎじゃないぞw
  9. ユメ代さんけっこんして:ゴン太の恋物語第2弾!いやーもうゴン太ってほんといい奴ってのがよくわかる話だ!そして主人公のカワルはますます悪党化。ただ困らせたくて一番の宝物をせがむとか・・・。ゴン太が結果的に立派な人物になったので結果オーライ・・・なのか?
  10. かげの通り魔:この漫画には珍しく大人同士のハードな暴力シーンもあり、どちらかというと「エスパー魔美」のような雰囲気。最後の最後はやっぱり金で解決。
  11. 底なしさいふの謎:バケルくんが他作品と比べ異質なのは、ドラえもんで散々描いてきたお金が湧いて出る→しっぺ返し、という原則を丸ごとひっくり返し、ホントに湧いて出ちゃうというところ。その裏付けが描かれる話だが、結局しっぺ返しはなかった。カワルが何の苦労もなく手に入れた金に困らない生活、これも子供の夢のひとつってことですね。
  12. ゴン太、ユメ代に変身:再びゴン太の恋物語、第3弾。ユメ代をダシにしてゴン太に部屋を掃除を押し付け、自分はちゃっかり野球に出て、おまけにエラーに三振。カワル・・・相変わらずの外道っぷりだ。ラストでまたユメ代のサービスシーン。中身はゴン太だが気にするな。
  13. かけもちでお花見:1つ下の世代向けの小三編開始。4月号なので、新規参入者向けの説明も若干あり。前月までは何もなかったのに、小三突入した途端にゴン太のユメ代への恋が描かれるのか。全編に渡って「同時押し変身」技が活躍。アルコール分散も再度。
  14. 五百万円のつぼ:あまり多くない、カワルが人形で人助け(親ですけど)をする話。「お金ならいくらでも」って、そりゃ受け取れんだろ。融通が効かないとかいう問題じゃない。ユメ代考案の人形を使った脱出アイデアが頭良すぎる。
  15. 子どもはいやだ!!:またしても父親助け。かなり強引だが、巧妙な変身を繰り返す頭脳戦ともいえる話。機嫌が悪くなると課長昇進再考を持ち出す部長はどうかと思う・・・。
  16. バケタ屋開店:人形を利用して洋服屋を開店する。カワルの人形の使いこなしっぷりが凄すぎる。人形に装着されたものはいっしょに拡大縮小できるという性質を上手に使っている。「ややこしいなあ」と言いつつも、カワルこんなに頭良かったのか。
  17. 宇宙旅行:円盤に乗っていきなり宇宙へでかける話。ホントいきなりだ。まあ宇宙人なんかよりも、カワルの変幻自在っぷりだけで十分驚きだと思うのだが。木島くんは宇宙で「ムギー」と発狂して死の一歩手前までいく。かわいそう。
  18. ゆうれいくんがんばって:いつの間にかお化けやしきがただの遊び場と化していた、ということでゆうれいを利用して人を追い出す。無関係な人までおどしまくって迷惑な奴だ・・・。
  19. おたがいに大変だ:人形変身の新たな応用技「魂入れ替え」。人形を使えば誰か2人の魂を入れ替えることだってできるのだ。しかしされた側はたまったもんじゃないな。記憶喪失症ってそんな感じだろうし。会社で泣きわめくママが可哀想・・・。
  20. ゴキブリラーメン:F氏はうまそうな食べ物を描くのが得意だが、まずそうな食べ物も一級品だなあw あの「ベチャ」って音がするそばが最悪にまずそう。あのクズ店長をこらしめる展開かと思いきや、普通に金で円満解決。賢明ですね。
  21. 怪人五十面相:いやあカワルやっぱり悪党だなあ・・。しかし今回は悪知恵をなかなか巧妙に使っており、読んでる方も壮大なイタズラを見ている気分。やってみたいなこういうの。パーマンの千面相がさりげなく登場!
  22. こまったニャア:なんと入れ替わり専用の人形「入れ替わり人形」が登場。ネコと魂を入れ替えたはいいが戻れなくなったという話。
  23. はつゆめに白雪姫を:親切というか単に王子役がやりたいだけのカワル。駄目だこいつ。気絶させられて、プレハブに連れ込まれ、掃除させられ、おまけに大して好きでもないカワルにキスされそうになるというユミちゃんの災難話。
  24. カワルついに正選手に:カワルはもっと怠け者の卑怯者でいてほしかったのだが・・・真面目に練習していたのか。まあ、試合への出方は相変わらず人形を使ってるのでアンフェアだが、結果が出たのが今までと違うところ。めでたく4番に昇格したところで、これがこの世代向けの最終回。

【小学四年生】

  1. 二人で散歩を:ドラバケ第1回での話。冒頭はカワルとユミちゃんの絡みだが、メインは前号に引き続きまたしてもゴン太の恋物語。カワルはユミちゃんが好きで、ユミちゃんはバケルが好きで、ゴン太はユメ代が・・と。ユメ代が気まぐれにゴン太を振り回すのがヒドイ。まさに外道カワル。
  2. パパとママが離婚する!:カワルがに人形を使ってやることってのは大抵自分勝手なろくでもないことなんだが、何かいいことをするのは、決まって両親のためである。親孝行だなあ。
  3. ゴン太のガールフレンド:ゴン太がユメ代にストーカーレベルの付きまといを始める。これだけ弱みのハッキリしたガキ大将も珍しい。しかしこの話からするとただ単に惚れっぽいだけという疑惑も・・。まあストレートに気持ちが行動にでるタイプなんですな。
  4. 大まんが家カワル先生:金にものをいわせて、雑誌に自分の漫画を強引に載せちゃうというやりたい放題の外道カワル。ヘタクソなくせに漫画を描くのが好きってのはのび太もそうだったな。オチも「週刊のび太」を思わせる。
  5. 一日ゴン太:全話通して屈指の外道カワルが見られる話。ゴン太は監督としてきちんと仕事をしてるんであって、ヘタなカワルが試合に出られないのは当然のこと。それなのに強引にゴン太と入れ替わり、カワルを試合に出してしまう。何つう野郎だ。そこまでしなけりゃ「試合に出たければ実力つけなきゃ」ってことが分からんのかい!
  6. カワルが二人に・・!?:ついにコピー人形登場。ひとりの意思で2人の自分を動かすことができる。冒頭の左右で違う絵を描くというシーンによって、相当訓練がいることが分かるようになっている。せっかく練習したのに、試合ではまた・・・。
  7. この問題とける?:ユメ代は自分だから自分で宿題やってるのと同じとほざくカワル。結局やってもらってるのと同じだろ!と言いたくなるが、自力で勉強することは微塵も考えず、さらにインチキしようとする。さすがカワルさん外道すぎるぜ。最後は天罰ですかね・・・。
  8. サンタのおくりもの:間が悪い電話に始まり、また外道カワル登場かと思いきや、前回までの汚名返上を果たすべく(?)、人助けに勤しむカワル。例のUFOで北極まで出かける大冒険。小四向けだけあって、小二のときの子供だましクリスマスとはひと味違う良い話。
  9. なぐり屋がきた:新年早々、重苦しいシビアな話。確かにこんなヤツが現れたら人間不信になりそうだ。でも最初になぐり屋に頼んだ奴って実はいないんじゃないか?それを皮切りに儲けようという、彼の作戦勝ちですな。後半はゴン太の男気が見所。そこを評価して彼に花を持たせるカワルも偉いな。
  10. お医者人形:いきなり4Pの短編、そして外道カワルが帰ってきた!それに引き換えゴン太は親切じゃないか・・・。
  11. コピー人形:ドラバケ世代向け最終回だというのに、ユミちゃんのカワルへの冷たい態度は相変わらず。そして一人芝居三昧のあまりにもむなしい話。F氏も特に最終回を描く気はなかったのか、ちょっと寂しさの残る話。

【別冊コロコロコミック編】

  1. ゴン太のライバル:8年の時を経て、別コロに復活。絵柄も8年でだいぶ変わり、カワルは別人のよう。しかしカワルとユミちゃんの冷めた関係、ゴン太のユメ代への恋心は相変わらずで、8年ぶりというのを感じさせないほど、前回と自然に繋がっているかのような話。ライバル登場はおまけみたいなもんで、まあ連載再開記念回!ってとこですね。
  2. タレントは大いそがし:冒頭のカワルがあまりにも哀れ・・ていうか8年経ってユミちゃんさらに性格悪くなってないか!?気軽に芸能界に飛び込んだカワル(中身だけ)だが・・結局、気軽に入れるような世界じゃないってことで。
  3. ユミちゃんとデート:さらにユミちゃんへの思いは強く。そして思いついたのはユミちゃんのコピーとのデート・・・それでいいのかカワル!?ユミちゃん初のヌードも公開。「世の中って思い通りにいかないものだねえ・・・」いやお前は結構思い通りにいってるほうだろと。ただ道具じゃ人の心までは動かせないんだなあ。なんかシビアだ。
  4. 二人が同時に生きられたら:ホントの最終回。ここでついにカワルとバケルが分裂を果たす。自分の感じられる意識はどちらか一方なのか?じゃあもう一方の自分の意識はどこから来たのか?と謎はつきない。だがやはりそれもいまいちな結果。最後もあのシーンで終わるのはちょっと寂しさが残る。別コロ編の4回分は、なぜか現実の厳しさを突きつけるような話が続いたという印象。

ドラえもん(3)

ドラえもん 3 (藤子・F・不二雄大全集)

ドラえもん 3 (藤子・F・不二雄大全集)

3巻は1963年度生まれ向けの72作品。この世代こそが初めて、小一4月号から小六3月号まで、6年間休みなく72作品のドラえもんを読める学年だった。作品の方向性の定まり切らない時期だったこともあり、小一の作品と小六の作品はまるで別作品のよう。序盤では幻のキャラクターも登場する。

  1. ねずみこわーい(小一 70年04月号):一応3月まで「幼稚園」で連載があったとはいえ、この世代以降は特に登場のエピソードもなく、おもむろに始まる。日常の中の非日常という作品の真髄がたっぷり味わえて、小学校入学時のドラ導入編としては最高の出来。なおこの作品は、初めてドラえもんが猫型ロボットであることが言及されたり、ネズミ嫌いが判明したり、スモールライト(らしき物)が初登場したり、記念碑的な意味合いも大きい。
  2. ドラえもん対ガチャ子(小一 70年05月号):半年に渡る幻の居候、ガチャ子シリーズの第1回。「ドラちゃんのかわりにきた」と突然現れたアヒル型ロボットのガチャ子が、ドラえもんと「お助け対決」を繰り広げる。わずか8Pながら話のテンポの良さは抜群で、この話の出来に作者も編集部も味をしめてガチャ子シリーズがしばらく続いたのかと思わせるほどだ。
  3. きょうりゅうが来た(小一 70年06月号):ガチャ子シリーズ第2回。前回はドラもガチャ子も困った奴だったが、この話でガチャ子一人が「迷惑ロボット」の座を不動のものにする。あの恐竜どうやって連れてきたんだ。ある意味凄いわ。2ヶ月前の「小さくするきかい」(スモールライト)が再登場。
  4. まほうのかがみ(小一 70年07月号):ガチャ子シリーズ第3回。シリーズ中最もガチャ子が活躍(?)した回であり、主役とまではいかないがガチャ子が完全な「ギャグ担当」になっている感がある。ドラえもんが車を運転するなどレアなシーンもあるのだが、ガチャ子のライダー姿や大増殖のインパクトが強すぎてそれしか印象に残らない。
  5. いぬになりたい(小一 70年08月号):ガチャ子頼みが過ぎると思ったのか、いったん彼女は退場。猫や犬に変身したのび太が起こす騒動の話だが、これは一体なんのための道具なのか・・・。ふらっと入ってきた猫を天井裏に放り投げてネズミを捕らせるしずちゃんがひどすぎる。
  6. ウルトラワン(小一 70年09月号):スネ夫のカラーテレビ自慢から始まる、時代を感じる話。テレビに取り付けると何でも出てくる扉が登場するが、特撮が生放送なわけもないし、タイムマシン的なことになっているのだろうか。この手の道具は深く考えたら負けだが、本当に自由すぎる。
  7. ゆめ(小一 70年10月号):人が見ている夢をのぞき見したり、夢から物を引っ張り出したりする、これまたフリーダムな話。夢から怪物を引っ張り出して、現実世界に登場させたりもする。どう考えても、夢の中だけにしといたほうがマシだろうが。スネ夫の夢が図々しいのは初期からか。
  8. おかしなでんぱ(小一 70年11月号):原題「クルパーでんぱ」。ガチャ子が4ヶ月ぶりに登場。街中の人をクルクルパーにするという危険すぎる道具を出して大混乱させるガチャ子。結局街メチャクチャになり、一切解決しないまま終幕。どんな話だよ。この話を最後に、何の説明もなくガチャ子は姿を消す。さらば。
  9. かべぬけき(小一 70年12月号):壁を抜ける機械でドラえもんがいたずらをしまくる話。これがガチャ子ならそんなに違和感はないんだけど、どうもドラのキャラが定まりきってないように見受けられる。
  10. かべ紙の中で新年会(小一 71年01月号):作品中頻繁に出てくる壁紙シリーズが初登場。喫茶店やトイレまである。見たこともない友だちも大量に登場する。「えへらえへら」って描き文字が初めて読んだ時からずっと印象に残っている。
  11. 虫めがね(小一 71年02月号):道具主体のストーリーがだんだん確立されてきた。道具百科企画ではよく見る「大きくなる虫めがね」の初出話。初期ならではのスラップスティックな展開に惚れる。定番の「まとめて追ってくる」コマがインパクト強し。ジャイアンのへそやしずちゃんの脚はどういう流れで大きくしたんだ(笑)。
  12. まほうのとけい(小一 71年03月号):ドタバタパニックの傑作。時計の針を動かすと実際の時間も変わる、簡易タイムマシンのような道具でさんざん世の中に迷惑をかけまくる。なんでニュースとウラトルマンが同じスタジオで収録されてるのかと(笑)。
  13. まほうの地図(小二 71年04月号):どこでもドアのはしりのような道具。いちいち地図に印をつけなきゃいかんのが面倒だが。中盤のスネ夫が錯乱していく展開が秀逸。「うちのうまいものがあるとドラえもんが来るんだ」って、オバQと間違えてるんちゃうか。オチは何でそんな地図があるのかとか、空気は?とか、突っ込みどころ満載。
  14. 空とぶさかな(小二 71年05月号):スネ夫の自慢からはじまるパターンのはしりだが、空中で魚を飼うという発想はすごすぎる。魚を散歩させたりチンチンさせたりとシュール極まりない絵が満載。最後は「海の真ん中で」餌をまいたおかげで悲惨なことになったが、ドラたちはちゃんと沿岸部で撒いてるんですね。さすがそのあたりの整合性は抜かりない。
  15. 役立つもの販売機(小二 71年06月号):なかなかの怪作。序盤でいきなり便箋を飛行機にするドラのび、金持ちなくせに10円をケチるスネ夫もなかなか良いが、やはり10円で出てくる先生と、芸人並のリアクションを見せるスネ夫ジャイアンがピカ一でしょう。というか、あの先生はコピー物? 最後の「どぶへ捨てるんだ」も笑える。普通に返せよと。
  16. ソノウソホント(小二 71年07月号):他の道具が全て要らなくなりそうな超万能道具が登場。いろいろとこじつけるわけでもなく、科学的に不可能なこともストレートに実現してしまうんだから凄い。珍しいジャイアンの父ちゃんも登場し、のび太のパパと相撲をとるがただの噛ませ犬でした。。
  17. せん水艦で海へ行こう(小二 71年08月号):夏なので海の話だが、潜水艦で海へ行くという新しい発想。潜水艦といっても水から水へとジャンプを繰り返すので、ビジュアル的にも楽しい。後半の連続ジャンプのテンポが素晴らしい。
  18. いんちき薬(小二 71年09月号):仮病のための薬なんて不要物の極致に思えるが、小学生にとっては結構欲しい薬だろうなあ。子供心をしっかり理解してるF氏。のび太も悪いが、けしかけてるドラも悪質だ・・・。というか最初から最後までママがかわいそう。フワフワののび太の代わりになぜか布団に飛び込むドラが意味不明でおかしい。
  19. ショージキデンパ(小二 71年10月号):息をするように平然と嘘をついてのび太を陥れる本山くん。1回きりの登場なのに、ここまで悪印象を残すキャラクターも珍しい。オモチャの双眼鏡をそこまでして取り返そうとするスネ夫も、取り返すよりものび太を追い詰めたいだけなんだろう。悪質な奴らだ。悪意が交錯しまくり、あまり後味のよくない話。
  20. ペロ!生きかえって(小二 71年11月号):名作。「そんなことができるなら、地球は生き物でうまってしまうよ」と、あらゆる「生き返り物」に対する説得力あるドラえもんの反論。これがあるからこそ、あえて反則気味の展開にしたこの物語が心に残るのだろう。秋空を飛び回りたいような、すてきな日ね! というさわやかな読後感(おまわりさんは一晩じゅう飛んでいたんだろうか・・・)。
  21. ほんもの図鑑(小二 71年12月号):基本、のび太の周りの連中は「借りた本を破るような」どうしようもない奴らであり、そこに「ドラえもん」の面白さの一端があるのだが、後年はそれが忘れられている気がする。それはともかく、この話はしずちゃん含む友だち連中の下衆っぷりが笑えるのだ。ほか、わずか一コマでやられるヒーローたち、図鑑の中ののび太の2行の説明文(笑)など、笑えるポイント満載。
  22. ランプのけむりおばけ(小二 72年01月号):この話は一転してのび太のクズっぷりが騒動を巻き起こす。まあ、あんな下僕が現れたら、いろいろ無茶な命令してみたくなる気持ちもわかるけど。というか、そもそもドラがこんな欠陥道具出すなと。最終コマで、正月からスーツ着て街を出歩く先生が謎(笑)。
  23. 雪でアッチッチ(小二 72年02月号):タイトルだけでほとんど話しの大綱が伝わってしまう。誰もが思いつきそうな温度逆転の発想だが、こたつが冷蔵庫みたいとか、雪でやけどするとか、その結果は想像以上に面白い。実際に凍るってことは、体感だけじゃなく、実際に温度が変わってるのだろうか?
  24. 入れかえロープ(小二 72年03月号):見た目も心も変えず、性質(?)だけ入れ替えるロープ。なぜか周囲の反応も入れ替わる。いちいち「ぼくのび太だけど」とか名乗ってコミュニケーションとってるのがおかしい。もとに戻す順番は、ややこしいこと考えずに、入れ替えたのと逆順でよかろう・・・。
  25. ヤカンレコーダー(小三 72年04月号):扉がてんコミと違う初出版。テープでの文通ってのも時代を感じる。未来のヤカン型テープレコーダーは、再生もどうやら1回限りらしく、実用性は低そう。ジャイアンへの悪口が「ノーテンゴリラ」「くそったれ」「しんじまえ」って・・・辛辣すぎ!
  26. テストにアンキパン(小三 72年05月号):この1話きりの登場なのにやけに有名な道具「アンキパン」。B6判くらいの巨大なパンにノートを写し、食べると暗記できるが、排泄したら終わり。凄いんだか馬鹿馬鹿しいんだか分からない。勉強はつらいなあって、それ勉強のつらさじゃないから!
  27. 潜地服(小三 72年06月号):ドンブラ粉と同じような機能の道具。話の展開は似てるけどちょっと違う。しかし、物を取り返すだけならもっと簡単な方法があるように思うが・・・。いきなりタタミを掘り出すジャイアンの行動力に笑ってしまう。
  28. つづきスプレー(小三 72年07月号):絵や立体物の続きを見られるという楽しい道具。有名絵画の続きがいちいち面白いが、これってちゃんと元に戻せるんだろうか。戻せないとしたら成金さんは悲惨だ。最後の聖徳太子には爆笑! その棒はそういう使い道のものだったんか!?
  29. タイムマシン(小三 72年08月号):作品を代表する道具がタイトルになっていることに若干驚くが、日本人なら誰もが望んだことのある、夏に冬に行ったり冬に夏に行ったりする話。まあ、のび太の気分屋っぷりが炸裂する1話ではあるが、最後に自分の行動を省みてるのはちょっと珍しいかも。
  30. 行かない旅行の記念写真(小三 72年09月号):わかりやすいタイトルだ(笑)。のび太が皆の前で見栄を張って後に引けなくなるパターンの先駆け。スネ夫がハワイを大げさに自慢してるのも初期ならでは。まず世界中の名所の写真がよく短時間で集まったな、という気もするが。
  31. かがみの中ののび太(小三 72年10月号):実際にフエルミラーなんてものがあったら、もう物は売れなくなっちゃうんだろうか。コピーガードとかがかけられるのか。しかも、鏡の世界の人間が自我をもってしまうというおまけ付き。欠陥品でしょ。ドラえもん、「ぼくこんな変な顔してたかな」って人のこと言える顔か・・・。
  32. 流れ星製造トンカチ(小三 72年11月号):わざわざ痛い目に遭わないと願いを叶えることができないというひどい道具。スネ夫のび太を殴って願いを言ったせいで、のび太の方で叶ってしまったということね。スネ夫の側も一応かなったけど(答えがあってるとことまでは望んでないし)。
  33. 重力ペンキ(小三 72年12月号):印象深い友達、あばら屋くん一家が登場。連載当時は、こういう貧乏一家がそれなりの割合でいたんだろうな。一見クリスマスパーティとは関係無さそうな道具をうまく使い、ハートフルな読後感に。
  34. フリダシニモドル(小三 73年01月号):ただ時間を戻す道具ではなく、戻る時間(1〜6分)がギャンブル的に決まるってとこが謎。とりあえず近い時間で適当に戻したいときしか使えないのか。のび太が新年の立派な決意をしたあと、4人で仲良くすごろくをするのが微笑ましい。というか残り一人なら、もう終わりなのでは?
  35. すてきなミイちゃん(小三 73年02月号):ときどき恋に溺れるドラえもんだが、この話ではオモチャの猫に恋してしまう。ロボットだから当たり前といえば当たり前なのだが・・・。のび太とドラの立場がいつもと逆転してるのが楽しい。ギャグテンポも最高で、絶望的なオチも含め初期珠玉の傑作。
  36. 地球製造法(小三 73年03月号):後年の「創世日記」やSF短編でもさんざん書く創世ものの先駆け。わずか17ページでこのストーリーの濃さ、恐れ入る。最後、実際に地球を作ったのに、言い訳もしないであちらを向くのび太がなんか大人だ・・・。
  37. うそつ機(小四 73年04月号):4月恒例、エイプリルフール話。「ソノウソホント」に酷似した道具だが、その機能はちょっと違い、どんな嘘でもみんなが本気にしてしまうというもの。やはりのび太の使いこなしっぷりが凄い。なぜか、スネ夫の嘘にもだまされずにだまし返してるし。
  38. スケジュールどけい(小四 73年05月号):ひたすら笑える大傑作。スケジュールどけいをドラえもんが使うことになってしまう展開にしたところが上手い。ありもしないおやつを食べたり、映らないテレビを見たり、半ばやけくそになっているドラが面白すぎる。わけもなくよその家で晩飯を食べるという、いたたまれないオチにも爆笑。
  39. ばっ金箱(小四 73年06月号):序盤からジャイアンが「自分はお金を出したくない」という自分勝手っぷりを発揮するのだが、最終的には自業自得でいちばん被害をこうむる。というかよそのお母さんに怒られてる時の「ガミガミガミガミ」っていう描き文字の勢いが凄い。相当ぶち切れてるな。
  40. バッジどろぼう(小四 73年07月号):ちょっとしたタイムパラドックス物。ドラえもんがなぜかピンホールカメラの手作り工作をしてたりとか、犯人扱いされ「ひどいひどい。うわああ」と泣き叫ぶところとか、要所要所で可愛い。のび太の「その盗んだ奴が犯人だ」は名台詞。何も間違っていないが・・・。
  41. 雪山遭難を助けろ(小四 73年08月号):初めてドラえもんが「どこでもドア」を出した話であり、またその道具の名前もここで初登場。超有名道具にしては意外と遅いのだ。雪山遭難者を助ける話だが、未来の世界の秘密はもらすわけにいかないという大原則も、連載初期はけっこう守られていた。
  42. ウルトラストップウォッチ(小四 73年09月号):後年のタンマウォッチと名前は違えど、同じ機能を持つ道具。のび太のいたずらがエスカレートする前にドラえもんが取り返すため、話としてはちょっと物足りない。しかし、早く歳を取るというのはホントなんだろうなあ。
  43. ダイリガム(小四 73年10月号):しかしまあスネ夫ジャイアンも罪を人になすりつけて嫌なやつだ。といってもこの道具が罪を人になすりつける道具なのだが。最後は結果オーライでした。「からだだけでかくて、頭はからっぽ」ってのも強烈だけど耳に残るフレーズ。
  44. しあわせカイロでにっこにこ(小四 73年11月号):にこにこしてれば幸せになれる、というドラえもんの話はもっともなのに、この道具が麻薬のような効果があるので、なんとなく話全体から怖さが漂ってくる。これが未収録の所以かもしれない。「うちどころが悪かったらしい」というスネ夫のコメントにもF氏の黒さを感じる。いや、面白いんだけどね。
  45. ボーナス1024倍(小四 73年12月号):一転して景気のいい話。この頃は金利が9%くらいで、定期預金が10年で倍になるという夢のような時代だったのね。しかし、これは一番簡単に道具で金儲けできる方法だが、法に触れないんだろうか・・・。これがアリなら何でもアリになるぞ。結局、「おかしいな、ふえてるよ」という反応が出る程度しか増えなかったわけですが。それでも十分だよな。
  46. タタミの田んぼ(小四 74年01月号):まず奇数個の餅を用意したママにも責任があると思うがそれはともかく、コメができるまでの流れも学習できる楽しい一話。最近の農業ブームで、卓上でコメが作れるキットが売ってたりするけど、近い将来にはこういった田んぼレベルのものも出るかもしれない。
  47. このかぜうつします(小四 74年02月号):こんな下衆い道具作るなって感じだが、あったらそれなりに使い道あるかも。やはり見所は、こういうときに限って紳士のような優しさを見せるジャイアンか。まあ、それでうつせなくなっちゃうのび太も良い奴だが・・・。最後は人を幸せにして、のび太と一緒にさわやかな読後感。
  48. かならず当たる手相セット(小四 74年03月号):やはり初出の「三十歳で気が狂って、四十歳で首を吊るというんだよう」のほうが台詞として優れてるので、遺憾である。後半はキイちゃんとかいう赤ん坊に殺されかける恐怖展開だが、あのまま殺されてたら親が逮捕されるんだろうか・・・。そもそも不幸の手相なんて何のために載せてるのか。他人にかいてあげれば殺人できちゃうだろ。
  49. お客の顔を組み立てよう(小五 74年04月号):顔のパーツを整形できてしまうという、なかなかに強烈な道具。モンタージュという言葉をこの話で覚えた読者も多いのでは。客の顔のパーツを的確に覚えてるのび太の記憶力は非凡だと思う。最後のあの悲劇は、一体何をどう押し間違えたらあんなことになってしまうのか・・・。
  50. いやな目メーター(小五 74年05月号):慰謝料を払ってくれる機械。その金が一体どこを財源として湧いてくるのかが気になるが。だがあの程度の金額じゃ、大怪我しても治療費すらまかなえなさそうだが・・・。壊れてるから怒ってるのに、壊れる前に怒れって・・・うーむパラドキシカル。
  51. 表情コントローラー(小五 74年06月号):強烈なインパクトを残すクラスメート、ムス子さんが登場。のび太のムス子への誘い方が酷すぎるが、ゴマスリメガネとか、ムス子の性格もなかなかに酷い・・・。勢いでしずちゃんまでパカっと笑わせてるが、しずちゃんは別に必要ないだろ!と読むたびに思う。
  52. ツチノコさがそう(小五 74年07月号):ツチノコといえばあの「ツチノコ見つけた!」の話が有名だが、実はそれ以前にこんな話もあったのだ。のび太は実はジャイアン以前に本物のツチノコを見つけていたのね。しかし、のび太の他力本願っぷりが、結果的にはその幸運も逃してしまう。もったいない。
  53. きせかえカメラ(小五 74年08月号):スネ夫でなくともファッションデザイナー垂涎の道具である。ジャイアンが純粋な夢を語っているのに必死で笑いをこらえるスネ夫、失礼なやつだ。最後のあの事故は結構やりそうなミスなんだけど、もともと着てた服はどこいった? 結果キャアキャア言わせられてよかったね!
  54. 虫の声を聞こう(小五 74年09月号):もうこの時代から都内のスズムシは消えてしまっていたのか? まあ、ドラとのび太も「つかまえてこよう!」と息巻いて空き地へ走ってるだけに、何も言えないわな。アットグングンは、普通に生長させるだけの道具ではないらしいが、あんな巨大な虫がいたら危険すぎるでしょ・・・。
  55. ネズミとばくだん(小五 74年10月号):ドラえもんがただひたすらネズミと闘う、超絶スラップスティック・ギャグ。放送禁止レベルの銃乱射に加え、あまりにも有名な「地球破壊爆弾」も登場。ちなみに初出誌では「原子爆弾」、修正後のほうが破壊力上がっとるがな。この話、のび太がママとタッグを組んで事を収めようとしてるのが珍しくて面白い。
  56. くせなおしガス(小五 74年11月号):前月に続く相当なドタバタストーリー。のび太の鼻くそほじり、ママの口なめ、パパの貧乏揺すりが全てパワーアップするというくだらなすぎる展開。のび太の巨大鼻くそは例の「鼻くそトーン」が貼られているが、F氏は結構鼻くそネタ好きだな。最後の巨大貧乏揺すりはパパ本人も気づかず逃げるとこが笑える。
  57. ロボットがほめれば…(小五 74年12月号):しずちゃんのおじさんも、平然と「幼稚園の頃かいたの?」とか口走っちゃうところを見ると、実際大した人物でもないのだろう。まあ、のび太の絵が相当酷かったのかもしれんが。「なるべくひどい絵をかいて」→「こりゃひどい」って流れが何か好き(笑)。
  58. ケロンパ(小五 75年01月号):なんとかからだを動かさずに運動できないかと考えるのび太、ほんとにどうしようもないガキだ。疲れだけうつしたところで、体はまったく鍛えられないと思うんだが・・・。スポーツ選手には喜ばれそうな道具だが、大会で使ったらドーピング扱いでしょうねえ。
  59. さいなんにかこまれた話(小五 75年02月号):これはなかなか便利な道具。どうせなら、災難の詳細も教えて欲しいんもんだが・・・。というかこの街は何でこんなに電柱から工具が頻繁に落ちてくるのか。危険すぎる。最後は災難報知器が災難を呼んでしまったという自作自演的オチ。
  60. カネバチはよく働く(小五 75年03月号):どこかに眠るお金を世に出すことは日本のためになるというのはごもっとも。しかしのび太は思いっきり自分で使おうとしとるがな。簡単に拾得物横領罪を犯してしまえそうな道具だけど、実際はある範囲で落としたお金を探すためのハチなんでしょうね。最後どうすんだこれ。
  61. くろうみそ(小六 75年04月号):パパの2ページにわたる、歴史上の偉人も多数登場するお説教は、のび太でなくともきちんと肝に銘じておきたいところ。F氏の教えですね。さすがののび太も感銘を受けて、結果、苦労を知る男になった。なんとなく小六3月号でもいけそうな話だ。
  62. ニクメナイン(小六 75年05月号):別に本人は悪くないのに、憎めない奴と虫の好かない奴、そんなのがいるよね、と世間のちょっとした理不尽さをドラえもんにさらっと語らせてしまうところが凄い。この漫画は、現実はハートフルな話ばかりじゃないことも教えてくれる。しかし最後ののび太の憎まれっぷりが凄い。全員が憎しみの表情向けてるもんな。
  63. 進化退化放射線(小六 75年06月号):この話の序盤だけなぜかのび太がパパのことを「おやじ」と呼んでるのがちょっと新鮮。キャラ違うぞ(注:後半では普通にパパと言っている)。「最新型」のラジカセが時代を感じるが、腕ラジオはスマホがあと一歩まで近づいてるか。パパは退化しても怖いが、進化版はトラウマものだ。
  64. 世の中うそだらけ(小六 75年07月号):1コマの無駄もないストーリー展開、登場人物たちのやけにウィットに富んだ台詞回しと豊かな表情、のび太の通常時と疑心暗鬼時の極端すぎるギャップ、のび太の巧妙な(?)詭弁、最後のジャイアンのあまりにも酷いオチ・・・とあらゆる笑える要素が10Pに詰め込まれた完璧な出来で、ドラえもん全作の中でも屈指の傑作ギャグ作品であると言わざるをえない。個人的には、ジャイアンのび太に言いくるめられて「その五十円は五十円アイスの五十円・・・」と何の意味もない確認をしてるところが可笑しい。
  65. のび太のび太(小六 75年08月号):タイトルからして惹き込まれるが、読めばすぐに意味が分かる。いわゆる「織り込み済みタイムパラドックスネタ」だが、緻密に張られた伏線と計算ずくめの展開は秀逸な出来で、これまた全作屈指のギャグ作品ではなかろうか。この時期のF氏は本当に凄い。夏休みののび太の、どことなく無益な1日がいっしょに味わえるところもポイント高い。さりげなく笑えるのが、宿題を「明日のぼくにやらせよう」と名案のようにひらめくのび太。絶対断られるだろ(笑)。
  66. トレーサーバッジ(小六 75年09月号):いつの間にかジャイアンズの選手兼任マネージャーを務めていたのび太。携帯電話も無い時代、みんなに連絡取るのも大変だ。トレーサーバッジはいわゆる発信機なので、当時でも実現は可能なはず。今はGPSがあるからもっと簡単だな。ジャイアンなんかいないっつってんのに、しずちゃんに「いやらしい!」と取り乱すのび太が情けない。しかしバカジャイアンのクソジャイアンってのも、どこまで憎んでるんだ(笑)。
  67. 王かんコレクション(小六 75年10月号):「流行性ネコシャクシビールス」が再び登場。コレクションってのはそういうもんなんだ、というのをちょっと極端な例で教えてくれる話。実際、王冠をコレクションしてる人は世の中にはそれなりにいるらしい。この漫画を見て集めだした子供もいたりして。
  68. ベロ相うらない大当たり!(小六 75年11月号):ベロ相よりも、作家志望の元高角三という男の話がメイン。結局はうらないなんか気にしないで、自分の信じた道をつき進もう、という話でした。実際F氏もそうして道を決めて成功したわけだしね。中学進学が近づく小六生に対するメッセージだ。
  69. 自動販売タイムマシン(小六 75年12月号):近代文化の研究者なんかにとってはヨダレが出るほど欲しい道具ではないか。それをのび太は、「ただ安く買える」ってだけで、しまいには金儲けのために使う始末。えんぴつ1本10円でもボロ儲けだな。百年後の世界では相当なインフレが進行しているようで・・・。つうか、どうして金入れてないのに出てきた?
  70. けん銃王コンテスト(小六 76年01月号):町中で究極のサバイバルゲームが繰り広げられる話。ジャイアンが「幼稚園のころからの夢だった」というほど、男にとってはたまらない遊びだ。何をやっても駄目なのび太が射撃でみんなのトップに立つ数少ない話。賢明なる小さな読者たちは、残り弾数を数えながら読んで「ん?」となったはず。オチのためにきちんとストーリーが(文字通り)計算されているんだな。
  71. ニセ宇宙人(小六 76年02月号):宇宙人に会ったという話を素直に信じちゃうのび太が可愛いというか馬鹿というか。トリック写真を撮るスネ夫ジャイアンが、宇宙人と出会いオロオロするのを見て胸をスカッとさせる話だが、最後の方はあまりに切実でちょっとかわいそうになってくる。ちなみに、後に大長編で本物の宇宙人と出会うことになるのだが・・・。
  72. シャラガム(小六 76年03月号):「ぼくももうすぐ中学生」の卒業話。半年に1度ののび太の決心が描かれる話。 こんなときに限って誘惑や障壁が多いのも世の常。結果、シャラガムという暗示の力があったとはいえ、道具の力を借りることなく自分だけの力でやり遂げたわけで、誰だってやればできるんだ、という作者からの読者へのエールが伝わってくる。

(2012.9.8 記)

キテレツ大百科(2)

キテレツ大百科 2 (藤子・F・不二雄大全集)

キテレツ大百科 2 (藤子・F・不二雄大全集)

農協系児童誌「こどもの光」での3年に渡る月刊連載は2巻で完結。ちょうどドラえもんが最高に面白い時期だったこともあって、キテレツの面白さもハンパない。ただ、ドラえもんと同じような展開が多数含まれるのはちょっと残念なところ(キテレツの方が先のものも多数あるが)。なお、1・2巻のカラー口絵+表紙で、キテレツのカラー原稿は全部網羅されているとか。

  1. 念力帽ドラえもんの「エスパーぼうし」を思わせる道具だがストーリーはまるっきり異なる。誘拐されているのに危機感のないキテレツと、間抜けな誘拐犯の掛け合いが良い。キテレツの物怖じしない性格も幸いして解決。銅線を抜かれて「アガアガ」となるコロ助が機械っぽいw
  2. 如意光で引っこし:如意光。あえて似せたのかと思ってしまうほど、機能といい形状といいまるっきり「スモールライト」。小さくなることの恐ろしさとか不安感を煽って描く。コロ助の役立たずっぷりがもう・・。みよちゃんの「キテレツじゃなくてオゲレツだわ」という名台詞も。大喜利かいな。
  3. 人間植物リリー:SF短編「マイ・ロボット」('79)の原点のような話。ロボットではなく人造植物だが。やられながらなぜか「キャ〜ッ、大根足キック」と技名を叫ぶみよちゃんと、川に身を投げたら余計に元気になったリリーにワラタ。
  4. わすれん帽:「失恋はラブミ膏」に続く、勉三さんの恋物語パート2。忘れさせる道具はドラえもんにも数あれど、記憶をシリンダーに詰めるというのは珍しい。勉三と君子の2人の記憶はリセットさせてそのままなのだろうか。
  5. 物置でアフリカへ:かなり無謀な世界一周。上空で止まってれば世界一周できるはず!→できない!?という展開はF作品で結構見られる。ある程度上空までは空気も一緒に回ってるんだよね。飛行機に引っ掛けたり、物置ごと落っこちたり、危険きわまりないことを繰り返す。
  6. 宇宙怪魔人ドラえもん「超大作特撮映画「宇宙大魔神」」('79)の元になったと思われる話。うまいこと騙して悪役をやらせるその手腕に感心する。コロ助のグランドロボ姿がウラドラマンとかぶって笑える。
  7. 動物芝居を作るナリ:道具はドラえもんの「人間ラジコン」('75)と似ていて、ストーリーは「ドロン葉」('78)の原点のような。珍しくコロ助が全編に渡って主人公的に活躍し、キテレツは最初と最後だけの登場。
  8. 地獄へいらっしゃいドラえもん「しつけキャンディー」('79)のような始まり。疑似地獄をまるごと作ってしまうという、キテレツ史上最高の大仕事。つーかこんなもんできるわけないだろと。最後は完全にレジャーランド化。
  9. 海底の五億円:海水浴+宝さがし+沈没船と、盛りだくさんの夏の大冒険。ひたすら疑心暗鬼に陥るコロ助がなんだか可哀想。みよちゃんの水着姿もレア。何となくというか明らかに、みよちゃん→キテレツの気持ちの方がキテレツ→みよちゃんを上回ってるよなあ・・・。
  10. ネパール・オパール:透明人間になってみよちゃんを付け回す話。純粋な気持ちによるストーカー、とでも言おうか・・・。最後が入浴シーンというのもドラえもんゆずりの展開。最後どうやって切り抜けたかが気になる。
  11. ボール紙の街:いきなり太鼓をドコドコ叩くコロ助が狂ってておかしい。ストーリーは完全に「ゆめの町ノビタランド」だが、ミニチュア製造カメラで自動で建物を造ってたあれとは違い、木や池なんかもしっかり手作りするあたりがキテレツらしい。ジオラマ好きのF氏らしい話。
  12. スーパー天狗:ストーリーは「スーパーダン」そっくりだが、「枢破天狗」がパーマンセット並の性能を持っているところが凄い。というか無意識に活躍できるところはパーマンセット以上か。キテレツ斎恐るべし。
  13. おもい出カメラ:交錯する2つの謎。どちらも同じ道具で解決。物語の深さがどことなくTVアニメ向きの話であるように思う。ブタゴリラの頭の悪い推理が笑える。いやあんな想像図を描けるのは逆にすごいか・・
  14. 空き地の銀世界:冬らしい話。冒頭で「嬉しいナリ楽しいナリ」とはしゃいだり、「すべるスキーの風切る速さナリ」と歌うコロ助が可愛い。メインは空き地で遭難するキテレツとみよちゃん。何となくロマンスを感じさせる話なんだけど、オチはいつも通りあっさり。
  15. ままごとハウス:「即席スイートホーム」を思わせる、仮想結婚生活を味わう道具。みよちゃんだけじゃ話が持たないせいか、花野さんとか乙梨(おとなし)さんとか、今回限りの女キャラが続々登場。何だかんだでキテレツとみよちゃんはお似合いなんだろうか。
  16. 遊魂帽ドラえもんの「入れかえロープ」とはまだ別の趣向で魂の乗り移り・入れ替わり系パニック。みよちゃんの「チキショオ」とかキテレツの「ウ〜」とか、ワンポイントで笑えるネタもいろいろ。ワケわからなくなって狂ってしまうトンガリが気の毒である。
  17. 超鈍足ジェット機:パリへ行きたいとか北海道へ行きたいとかみよちゃんも結構ムチャを言う子だ。そして宿題に必死なせいかみよちゃんにやたら冷たいキテレツ。終盤に中学生のび太?風の少年が出てくる。のび太と違って彼女がいますけど。
  18. 仙境水:いわゆる「雲かためガス」。冒頭の「ペチャラクチャラ」といい、みよちゃんは明らかにしずちゃんとは違うキャラ設定だな。「ブロロオ」とか「ドバドバドバ」とか口で言ってるブタゴリラたちは低学年児のようで可愛いと思う・・・。
  19. 唐倶利武者:珍しく、特にヒネリのある道具ではなく、遠隔操作ができる強いサムライロボット。けがはしないけど痛みがすごいというのはどういう原理なんだ?
  20. さらば大百科:奇天烈大百科と別れを告げる最終回。F作品としては珍しくキッチリ終わった作品である。この回のパパの顔が違ったり、最後の方あきらかにページ足りない感じだったりするのはご愛嬌。ところで一体大百科はどこまでナイショでどこまで周りに公開してたんだろうか?全てオープンだったドラえもんと違い、そこの線引きがよく分からない。

ドラえもんと似たところもありつつきちんと差別化出来ているのは、キテレツがドラえもん的存在となっていること、異分子(コロ助)がのび太的存在であることが大きいのでしょう。あと、明らかにみよちゃんがキテレツに惚れてる(と思われる)ところとか。確かにキテレツは頭も良いし常識人だし情熱もあるし、魅力溢れる少年だよな。あとは何よりもコロ助の「ナリ」節が人気の一因なんでしょうね。

パーマン(3)

パーマン 3 (藤子・F・不二雄大全集)

パーマン 3 (藤子・F・不二雄大全集)

この巻からは学年誌掲載作品。一応サンデーが本編扱いではあるものの、学年誌、それも低学年版にも読み応えのある話が多く描かれており侮れない。3巻は小二・小三編。収録された39話のうち、てんコミ収録話はわずか4話のみ! 想像以上に学年誌掲載話が冷遇されてきたのが分かる。この巻では、大きな事件があっても3号までしか出てこないことが多く、パーやんの登場話数はかなり少ない。また、パー坊に至っては1話しか登場しない。小三の後半は横長の変形判も登場する。
【小学二年生編】

  1. パーマンとうじょう!(小二 67年03月号): 「小二」版第1話。3月なのでひなまつりに絡む話。カバ夫やサブにいじめられて自己嫌悪に陥ったみつ夫が、唐突に現れたスーパーマンにマスクとマントをもらうというサンデーと似たような流れだが、戦う相手はカバ夫とサブ。悪と戦うのはこれから。
  2. お花見騒動(小二 67年04月号): 2号と2人でお花見に。戦う相手は迷惑な酔っぱらいだが、ここでパーマンはちょっと名を売る。それにしてもコピーロボットの使えなさ具合がいきなり目立つ。みつ夫自身の生き写しだけど。
  3. ロボット・ゴリアテ(小二 67年05月号): ようやく敵らしい敵と戦う。相手は突如暴走を始めた工事用ロボット・ゴリアテ。苦戦しながらもコピーを賢く使って勝利。TVでも実況付きで中継され、一気に名を上げる。スポンサーの宣伝に抜かりがないキャスターが笑える。
  4. ラッパでとんでこい(小二 67年06月号): 迷惑なちびっ子に目をつけられ、特に何の事件もない1日が事件だらけの1日に。「おもちろいわ」「おもちろくないっ」。
  5. 腹ペコ怪獣あらわる(小二 67年07月号): 何の説明もなくパー子いきなり登場。既にTV放送も始まってたので説明は必要無いのか。3人で仲良くハイキングに行くも、山に怪獣が出るとの噂を聞きつけて調査に向かう。見つかった怪獣の正体はあまりにも拍子抜け・・・。
  6. 真夏のスキー(小二 67年08月号): 真夏にスキーをするために、北極から氷を持ってくるというくだらない大仕事。北極近くで遭難し、地元民に救われて九死に一生を得る。しかしあんな巨大な雪を飛行機に乗せたら即墜落じゃないか?
  7. あらしを吹きとばせ(小二 67年09月号):9月恒例の台風話。台風の怖さを全く分かってないみつ夫だが、いざパーマンになると多くの人達を救う。洪水で取り残された人々も、遊びで作った方舟で結果的には全員救出。久々にヒーロー的活躍。
  8. 運動会で一等とろう!(小二 67年10月号): パーマンセットを使って運動会で1等を、という卑怯極まりない話。しかし、パーマンマスクをかぶったその上から粘土細工の巨大みつ夫マスクを被るという手の混みすぎた手法が可笑しい。どう考えてもバレるっつーの。結局最後は自力で勝利。
  9. 兄さんをパーマンの弟子に(小二 67年11月号): みつ夫をパーマンの弟子にしてくれ!とガン子が余計なお世話としか言いようがないお願いを。みつ夫がみつ夫の弟子になってどうする。パー子のナイスフォローもあって結果オーライ。
  10. 飛行機強盗(小二 67年12月号): チンケな町の犯罪者が多い中、やけに手の込んだメカを使う飛行機強盗集団が登場。その手口からの謎解きに始まり、最後はパーマン飛行機で撃退。結構な大仕事なのに、オヤツを賭けるあたりがみみっちい・・・。
  11. とうめい人間(小二 68年01月号): 2ヶ月連続で本格的犯罪者との戦い。透明人間のクスリを一口飲んで逃げまわる悪い奴。帽子を木に吊るして偽装したり、マスクを脱がそうとして脅したり、かなりズル賢い面を見せる。最後の最後まで本当の姿は見せず。
  12. ワスを弟子にして(小二 68年02月号): ハタ迷惑な頭のおかしい押し掛け弟子入りオッサンが須羽家に押しかける。おまけにパーマンセットを奪って「このままくにへ帰ろかな」とぬかす。何かの事件を1コマで片付けるみつ夫がカッコイイ。
  13. ガン子誘拐事件(小二 68年03月号): ガン子はすぐ告げ口をする嫌な妹だが、いざ誘拐されてみると・・・いややはり誘拐先でもガン子はガン子。マイペースで誘拐犯もタジタジ。さすがだ。パーやんは小二では一切登場しないが、この話で名前だけ登場。
  14. 西部劇強盗(小二 68年04月号):西部劇サーカスなんて実際にあったんだろうか。ジョン・ウェイン主演の「サーカスの世界」('62)で西部劇サーカスが出てくるらしいが、着想はそこから? パーマンたちも間抜けだが、強盗団がそれに輪をかけて間抜けだったので勝利した感じ。強盗団の1人が「ねじ巻き都市」の熊虎鬼五郎に見える。
  15. パーマンを見習おう(小二 68年05月号):パーマンが子供たちのお手本とされ、みつ夫が「ほんとうにぼくはえらいのだろうか?」と自分を省みる。何だかんだで小学生だからね。パーマンになることで彼が少しずつ成長していく一面が垣間見える。
  16. みつ夫くんが三人(小二 68年06月号):パーマンがほとんど出てこない、みつ夫の日常話。嫌なことはコピーを身代わりにするという、先月号の反省はどこへ?という感じの酷さ。みつ夫よりもあの雷親父が災難だ。
  17. ゆうれい島(小二 68年07月号):夏の行楽話であると同時に、夏らしいホラー話。この3人は結構仕事以外でも一緒に遊んでるな。相変わらず臆病で怖がりなみつ夫だが、この話ではひさびさに、みつ夫一人で事件の謎を解き明かして、人の命まで救った。
  18. 絵日記はかけたけど(小二 68年08月号):前月まではかなりしっかりしたストーリーの話だったのに、ここでいきなり低年齢向けのテイストになったのは気のせいか。実は小1用に作った話なのかも。ヒーロー要素とギャグ要素を適度にブレンド


【小学三年生編】

  1. パーマン登場(小三 66年12月号):今や伝説となった、「マスク違い」の小三版第1話。マスクのデザインが違うだけで、かなり印象が違う。スーパーマンも何だか変態っぽいデザインだ(笑)。円盤も何かおかしい。正体バレは死ぬとか、力は6584倍とか、ソックリロボットとか、設定の違いも多々見られる。
  2. ママが二人に! (小三 67年01月号):そしてお馴染みのデザインに。たった1ヶ月でこんなに垢抜けた雰囲気になるもんか。話は、敵との戦いは全くなく、コピーロボットによる大騒動。なんか「苦し紛れに飛んでっちゃった」とか、ごまかし方がムチャクチャで笑える。
  3. バナナと拳銃(小三 67年02月号):2号と二人で、横浜で拳銃密輸の捜査。最初にしてはかなり本格的な戦いだ。いろいろとやらかしてピンチに陥るが、その後のリカバーがなかなか賢い。この事件で新聞に掲載され、パーマンが世間に知られるように。
  4. パー子登場(小三 67年03月号):「小三」版パー子登場話。サンデー版「はじめましてパー子です」の単行本収録時にこの話の「オタンコナス」のくだりが追加された。何とか協力して事件を解決し、サンデー版とは違い最後はパー子と和解。小三向けだからか。
  5. パーマンは悪い子(小三 67年04月号):パーマンがママに嫌われ気味(当たり前だが)なので、手を尽くして理解してもらおうとするが・・・。路頭に迷ったみつ夫に泣いて同情し、エサで養おうとする2号が優しい。だが、確かに「ありがたいけどみじめ」だ(笑)。
  6. 国際陰謀団スベッター(小三 67年05月号):ギャグ傑作。パーマンを利用して経費を浮かせようとする、セコすぎるホテルの社長。パーマンの頭の悪さを利用したわけだが、彼の想像よりもパーマンは頭が悪かった。オチは爆笑ものです。
  7. 怪人ネタボール(小三 67年06月号):かなり手強い敵、怪人ネタボールとの戦い。みつ夫に幾度も命の危険が迫る。相手に幻覚を見せるうえ、暗闇でも見える眼をもつ敵と戦うカギは、ポップコーン・・・。パーやんがいなくてもここまでやれるのね。
  8. 無人島で暮らそう(小三 67年07月号):夏のお出かけ。あれほどの家を建てたのはすごいが、結局現代っ子たちが無人島でサバイバル生活なんてできるわけもなく。最後は頭がおかしくなったらしい(笑)。
  9. おれをパーマン5号にしろ(小三 67年08月号):家出人誘拐犯との戦いのストーリーがメインで、カバ夫のパーマン5号志願はおまけ程度。カバオが特に役立ったわけでもない。最後、マスクかぶるところは運転席から見られたんじゃないか?
  10. 火の海からの脱出(小三 67年09月号):かなりハードな事件。座礁したタンカーの乗組員を助けにボコデコ諸島沖に向かうが、あるきっかけで重油が引火して火の海に。あそこまで燃えたら、火から逃れる前にCO中毒でやられてしまいそうな気もするが。ミツ夫一人の活躍で見事解決。
  11. マント騒動(小三 67年10月号):落としたマントが泥棒に盗られて騒動に。パーマンの正体を偽装して新聞にも載ってしまったが、これでミツ夫=パーマンの疑惑が払拭できるならもっと早くやっとけばよかったのに。
  12. こおりついたパーマン(小三 67年11月号):横長判型。とじこみ別冊形式か。冷凍ピストルを使う強盗・アイスマンとの戦い。実際に凍りつくほどの冷気を浴びたら命に関わるのでは。珍しくミツ夫が頭脳戦で勝利。
  13. ひみつのクリスマス(小三 67年12月号):何の事件も起きない、クリスマスのほのぼのとした話。パーマンがこうして一般人に感謝する会を開いてもらえるなんて、全作中唯一の事でしょう。よかったなミツ夫。
  14. 冬は南の島で(小三 68年01月号):冬に南の島で海水浴、と思いきや、パー子とブービー土人(!)に食われかけるというものすごい展開。鍋の中でパー子はマスクを取られており、ブービーは正体見ちゃってるんじゃないのか?絶妙なタイミングでソースをかけられて、結局正面顔は見えない。
  15. 5号のママの誕生日(小三 68年02月号):学年誌では唯一の、パー坊メインの話。そもそも「小三」での登場はこの1話のみ。説明もなく登場するのも、TV放送中だからでしょう。随分しゃべれるようになって、登場時より成長してるような。
  16. みつ夫のひょうばん(小三 68年03月号):コピーロボットに座らせて説教したり、コピーが立派な人間になる決心もしてもしょうがないだろうに。結局全部自分に跳ね返ってくるという話でした。
  17. ケチ社長(小三 68年04月号):ケチおやじをパーやんが戒める話。ケチと言うかもう頭がおかしいレベルだこれは。あんな人間がまともに会社を経営できるとは思えないけど、見た感じ普通の人たちが普通に働いている会社。そっち方面の才能はあるのかね。
  18. 二人組のサギ師(小三 68年05月号):マスクとマントを狙う、かなりずる賢い知能犯現る。パーマンを頭の悪い子供にやらせとくからこういうことになる・・・。最後は、卵程度でよかったね(笑)。
  19. パーマンけんかしよう(小三 68年06月号):パーマンに勝って強さを認めてもらいたい。ヒーローには、こういう困った奴も寄ってくるのだ。だが、八百長してくれと頼まないあたりは卑怯さがなくて偉い奴だと思う。パーマンからしたらいい迷惑だが。
  20. とれないマスク(小三 68年07月号):おにぎりをマスクの中に入れた程度であんなに接着しちゃうもんか? それはともかく、パー子の強引なマスクの取り方がやばい。6600倍の力でやったら冗談抜きで首もげるよ。
  21. 山火事で涼しく!?(小三 68年08月号):また火事話。しかも真夏なので、全体的に暑さと熱さでイライラしてる様子。前の火事で見つけた大ジャンプがここにも登場。ミツ夫はタイトル通り、山火事で暑さを克服したらしい。(2012/2/5 記)