パーマン(2)

パーマン 2(藤子・F・不二雄大全集)

パーマン 2(藤子・F・不二雄大全集)

サンデー版完結編。というか2冊で完結。ほんの1年の連載でしたからね。

  1. インテリギャング:ギャングがパーマンを本気で暗殺しに来るシリアスな話なのに全編ギャグ仕立て。「同じ家から出て、同じ服を着て、同じ声でしゃべったぞ」という誰もが突っ込みたかったところを、敵があっさり突っ込む。実はみんな気づいてるんじゃないのか。
  2. 箱入りむすこ:何人も子供を亡くすとこうなってしまうのか。可哀相だけど、学校にも行かせなかったのか?そりゃあ無茶というもんだ。はねられそうになるまで、教育が間違っていたことに気づかないとは・・・。
  3. 通り魔は二度と出ない:不況と通り魔。時代は繰り返す。本来なら警察行きのところをパーマンが見逃し、更生させた。パーマンは悪と闘うだけが仕事ではないのだ。
  4. ぼくはスターだぞ:半寒っていう字面がひでえ。この話は、最大の謎であるアノ人の正体が初めて匂わされた話。おそらく多くの読者がここで引っ掛かり、「え、もしかして・・」と気付いたのではなかろうか。そして話の最後になっても結局明かされない。
  5. 八百長プロレス:原っぱでプロレスとかしょぼすぎるw どうもパーマンは頭が悪いせいかこういうズルい奴に利用される場面が多いように思う。
  6. ○ソ○ロ・コンクール:全ギャド連のおバカな連中も敵として結構魅力的である。コソドロのコンクールを大々的に張り紙をして知らせてしまうというバカすぎる行動が笑える。
  7. 国際スパイ大作戦:いきなりシリアスな話。軍事兵器の研究が巻き起こした国と国の抗争にパーマンたちが参戦。実弾と実弾が(マジで)ぶつかり合うハードな展開。やはりこういうシリアスな話にはパーやんが必要不可欠ですね。
  8. パーマンやめたいパーマンに向かないんじゃないかと悩むミツ夫。それをあの手この手で思いとどまらせようとするブービーとパー子が微笑ましい。何だかんだでリーダーとして大切に思ってるんだねえ。
  9. パーマン5号誕生:連載も後半に入っているのにここでまた新キャラ登場。他の4人に比べると圧倒的に知名度の低い5号は赤ちゃんのパー坊。それなりに個性のあるいいキャラなのだが、やはり扱いにくかったのか80年代新作では一切登場しない。というか旧作でもあまり出番はない。
  10. パーマン5号の空き巣退治:というわけで数少ないパー坊のメイン話。というか、マスクもマントも身体能力はアップさせられるけど、頭までは良くならないんだからこの赤ん坊は天才としか思えない。それをいうならサルのブービーはもっと凄いけどな。
  11. "鉄の棺桶"突破せよ:2週に渡って掲載されたパーマン史上最大の仕事であり、遊び抜きのシリアスな展開。「国際スパイ大作戦」の続編で、Q国の軍事研究所に潜入捜査して博士を助け出すという話。ミツ夫も頑張ってはいたけど、結局パーやんひとりで解決したと言っても過言ではないような・・。作品を代表する傑作であることは間違いない。
  12. ここほれワンワン:またしても騙されるパーマン。おまけに騙されそうになってる人を救えずに一緒に騙されてるのだから始末に負えない。最後は結果的に・・ですが。
  13. 悪人名簿でギクリ:全ギャド連のセールスマンが悪人名簿を落として起こる騒動。珍しくみっちゃんが全編に渡って登場。ヒロインの座はパー子に奪われてるからねえ。
  14. ムキキの社長:意外と少ないブービーのメイン話。ブービーもよく騙されるが、ミツ夫と違ってサルなので騙されてる様も可愛く見える。関係ないけどミツ夫とパー子の憎まれ口を言い合う場面がさりげなくいいなあと思う。
  15. パーマンはつらいよ:確かに、報酬ももらえないのにこんな仕事させられるのは割に合わんよな。しかも日常と背中合わせなわけだから。最後の決意とスーパーマンの言葉は近づく最終回への伏線にも見える。
  16. のぞき事件:盗撮魔あらわる。当時はまだ隠し撮りにもおおらかな時代だったのだろうが、今だったら完全に犯罪者扱いだよな。ぼくはみんなをカントクしとるんだという台詞が異様にムカつくw
  17. パーマンは重税をとる:ミツ夫の日常話に近い。全員同率で、累進課税じゃないだけまだいいと思う・・・。しかし「どう考えても30円は惜しい」という笑える金銭感覚が時代を感じると言うかなんというか。
  18. わがはいの脱獄:またしても登場、怪人千面相。マジシャンのようにあの手この手で脱獄を試みる。ばかもんそれがルパンだ!的な展開もあり楽しい。オチにはちょっと納得してしまう。
  19. パーマンをやっつけろ:またミツ夫が騙されてみんなに迷惑をかける。よくこんなんでリーダーやってるな。パー坊が久々の登場。パー子が初めてマスクを取られて髪型だけは見える。しかし正体の隠し方がさりげないなあ・・。
  20. 赤い羽根パーマンと星野スミレが「スミレとして」初めて会話する。前話での疑いを逸らす話なのか、パー子とスミレが同時に登場する。当然どちらかはコピーロボットなんだろうが、それは明かされずじまい。鼻の色を見るにパー子がコピーなのだろう、たぶん。
  21. スーパー星への道:そして突然の最終回。F氏お得意の「簡単には泣かせない、一筋縄ではいかないお別れ」が余すところなく描かれる。親子の別れと言うツボはしっかり抑えているが、この段階ではパー子とは何もなし。こうしてミツ夫は遠い星へ飛び立っていき、後年に別作品で描かれる星野スミレの話へと繋がっていく。長きにわたる連載において、きちんと雑誌掲載された唯一無二の「最終話」。
  22. 帰ってきたパーマン:1ヶ月後に増刊号に掲載された「1回限りの復活篇」。お正月に2時間だけ帰郷が許されるたパーマンだが・・。別れと同様、再会も一筋縄ではいかないのがF氏。でもラストシーンはしみじみとした味わいがあると思う。いい話です。