キテレツ大百科(1)

キテレツ大百科 1 (藤子・F・不二雄大全集)

キテレツ大百科 1 (藤子・F・不二雄大全集)

  1. ワガハイはコロ助ナリ:発明少年・木手英一が、先祖の遺した奇天烈大百科の秘密を発見し、発明にのめりこんでいく第1話。まずは舞台紹介と人物紹介から。タイトルとは裏腹にコロ助の登場はラスト2ページのみ、しかも「コロ助」という名前は話中には出てこない。
  2. 脱時機でのんびり:第2話にして、時間を抜け出すといういきなりレベルの高い発明。ドラえもんでいうと狂時機かタンマウォッチか。永遠の浪人生、名物キャラの勉三さんも登場。コロ助はまだ「頭の悪い助手」という感じのポジションだ。
  3. しん気ろうでやっつけろ:しん気ろうの現れる仕組みを丁寧に解説。後年の「四海鏡」にも通じる発明。レンズ欲しさに望遠鏡をせがみ、パパがキテレツのことを理解してお金を渡してくれるところが良い。と思う。
  4. キッコー船の冒険:月刊誌連載だったこともあり、季節感のある話が多いのもキテレツの特徴。夏と言えば海。海に行きたい余り、狂い気味のコロ助。「海と関係ないじゃんかナリ!」話はまさに大冒険。見開きの海が気合入ってる。
  5. 聞き耳ずきん:いわゆる動物語ヘッドホン。性格のいい動物も悪い動物もいるってのがやけに現実的。
  6. 片道タイムマシン:ついにタイムマシン登場!しかし行ったはいいが壊れて帰れない。あっという間に2ヶ月経ってしまう展開に驚くというかよく2ヶ月持ちこたえたな。キテレツ斎さまも初登場。
  7. モグラ・マンションドラえもんの「大むかし漂流記」を思わせる、混乱の真っ只中から物語が始まって、そこから振り返っていく構成の話。キテレツはのび太と違って頭が良いので、仲間内でもちょっと頼りにされている感じ。
  8. 江戸時代の月面図:いよいよ宇宙にまで飛び出す。キテレツに相当な死の危険が迫った回のひとつ。極限状態でのキテレツとコロ助の葛藤が見物。オチは・・ちょっとアポロ月面着陸の疑惑を連想してしまう。
  9. 公園の恐竜:F氏がこよなく愛した恐竜がやっぱり登場。しかしタイムトラベルではない。未開の地にまだ見ぬ世界があるという「のび太の大魔境」的な発想だが、やはりちょっと無理がある舞台設定か。
  10. キテレツの団体:導入は原子の話。比較的珍しいドタバタコメディ。ブタゴリラにキテレツが4連続で質問するあたりがさすがのテンポの良さ。
  11. 冥府刀:四次元の世界へ行くというトンデモ発明。四次元空間が実際に描かれたのは最初で最後。みよちゃんが消えた後にキテレツが並べ立てる「神隠し話」は後年に「のび太の日本誕生」でも使われて多くの子供達にトラウマを残した。
  12. 一寸ガードマン:自分の作った発明品を奪われ、その倒し方を考えるとは本末転倒すぎる・・・。しかも想定とは違う結果で解決。
  13. チョーチンおばけ捕物帖ブタゴリラの自分勝手な振る舞いが絶好調。それが原因で本当の犯罪に巻き込まれて大泣き。何やってんだか。正義を振りかざすだけでは迷惑という作者の気持ちが見え隠れ。
  14. 地震の作り方:力学(振り子)。大震災直後に刊行された文庫で削除された不遇の作品。地震が起こった時の対処としてキテレツのせりふは防災の勉強になる。今こそ必要な道具かもしれない。
  15. サイボーグキンちゃん:これはサイボーグ化される動物からしたらどうなの?という感じもするが、キンちゃんがいきいきしているので良しとしよう。最後はやっぱりお別れなんだなあ・・・。
  16. 潜地球:地面にもぐる話で覗きシーンがあるのは定番なのだろうか。ブタゴリラに秘密を勝手にばらして怒る奴らが理不尽すぎる。
  17. 水ねん土で子どもビル:状態変化の話。ためになる漫画だ。しかしこのスライム状の水に一度でいいから入ってみたい。展開はドラえもんの「水加工用ふりかけ」そっくり。
  18. うらみキャンデー:珍しくオカルトじみた発明。乙梨君は相当歪んだキャラクターだが、特にしっぺ返しもなく、少しばかりシコリの残る話ではある。床に落ちてるものをひょいっと口に入れるのはやめましょう。
  19. 失恋はラブミ膏:タイトルが抜群に良いと思う。勉三さんの女性に対するアプローチ方法が常識はずれ過ぎて笑ってしまう。キテレツとみよちゃんには結局明確な恋愛エピソードは無いまま・・・
  20. らくらくハイキング:序盤のワープネタは「21エモン」や「のび太の宇宙開拓史」でもおなじみのもの。ブタゴリラの唇はなぜ分厚くなっているのか・・・?